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『水族館プロデューサー・中村元 presents 中村元の超水族館ナイト2017春 〜日本の世界観を誇れ!〜(vol.26)』 ライブレポート(17.02/05開催)/ カルカルで「ビハインド・ザ・コーヴ」上映会決定!

2017年03月14日

2−2.何かが降りてきて作らされた映画

なんと最初は 『ザ・コーヴ』 すら知らずに映画制作に取りかかったという。

八木さん
「捕鯨問題を調べていて、最初に辿り着いたのが太地町だったんです。 『ザ・コーヴ』 は太地町でDVDで見ました。そこで初めて 『ザ・コーヴ』 の舞台が太地町だと知ったんです。」

テリーP
「ええっ!? 知らないで太地町に行ってたんですか? 余計に凄いですね。 」

いや、これで驚いてはいけない。太地町で取材を始めて、最初にいきなり 『ザ・コーヴ』 主演でイルカ解放運動の活動家・リック・オバリーのインタビューに成功してしまいます。

八木監督
「リック・オバリーを見つけてインタビューしようと思ったら一度逃げられてしまったんです。でも、その後、うどん屋で食事をしていたら、そこにまんまと彼が入店してきたんです。ラッキー♪ と思ってすぐに突撃しました(笑)」

八木さん
「日本と同じ捕鯨国・ノルウェーのオスロ大学生物学教授ラーズ・スワロー氏にもインタビューをしたいけれど、現地まで行くお金がないなぁと思っていたんです。でも、水産庁に問い合わせてみたら3日後に来日すると言われました。」

客席 : 「………!! 」

さらにその勢いで 『ザ・コーヴ』 監督のルイ・シホヨス、反捕鯨団体の中心メンバー、国際会議で交渉に当たった日本政府の官僚…等々、気づけばあらゆるキーパーソンへのインタビュー撮影に成功。これには プロのプレスの人達からも「自分達ではとてもここまでは取材できない」と驚きの声が上がったそうです。それほど八木監督は ”神っていた” のだとか。

インタビューだけでなく、欲しいと思っていた資料なども 「向こうからどんどんやってきた」 と八木監督。さらに太地町に長期滞在し、貯金を切り崩しながら取材を続けていく中で金銭面で厳しくなってきた時に、諸々の事情からほぼ縁を切っていた状態だった父親と偶然再会し、お金を貸してもらえることにもなった。何もかもが映画作りの後押しをしてくれたそうです。

 

映画制作時を振り返る八木監督
映画の制作過程を語る八木監督

 

八木監督
「捕鯨に関する今の状況は、捕鯨以外も含めた日本の現状を表していると思います。理不尽なことにも 『黙っていれば良いんだ』 『おとなしくしていればいいんだ』 という日本の事勿れ主義が逆に事案を悪化させている。歴史認識問題もそうです。反論できることにすら反論しないから、捻じ曲げられた情報がどんどんが世界中に喧伝され、日本人は残虐な民族と言われて、どんどん世界的に追い込まれている。」

そんな状況を危惧した私たちのご先祖様や日本の神様達が一斉に降りてきて 「私はこの映画を作らされたのかも知れない(八木監督)」 と。

 

2−3.日本人って素晴らしい!

ハリウッドの会社で働き、アメリア大好き人間だったという八木監督ですが、『ビハインド・ザ・コーヴ』 を作る過程で、日本人の素晴らしさに気づき、「こんな素晴らしい民族はいない! 」 と日本という国を心から見直したと目を輝かせます。

八木監督
「日本人は縄文時代から鯨を食べていて、食べるだけではなく鯨の骨で日用品を作ったり、装飾品を作ったりしていました。それはまとまって出土されることはなく、広範囲に分布していて、みんなで分かち合って使っていたことが分かります。出土された鯨の脊髄骨で作った茶碗はみんな割れていました。日本にはモノにも魂が宿ると考えられていたので、捨てる時に感謝の念を込めて割って、その精神を離脱させていたんです。」

欧米では昔、鯨油を採るためだけに鯨を殺し、死体はそのまま捨てていました。でも、日本人は鯨の命に感謝し、鯨の隅々まで無駄にせずに利用し、そして、鯨のお墓まで作っていた。

八木監督
「こんな素晴らしい民族が他にありますか? 」

太地町も鯨やイルカの命に感謝し、共存してきた、自然豊かでのどかな美しい町です。決して悪の中枢の町ではありません。

 

止まらない! 八木監督のスペシャルトーク!
止まらない八木監督のトーク

 

2−4.映画を観た人々の反応は?

『ビハインド・ザ・コーヴ』 は世界8大映画祭の一つであるモントリオール世界映画祭に正式出品となり、 その数時間後にはワシントンポストやニューヨークタイムスに記事が上がるなど大きな反響を得ました。そして、日本での公開後、2016年11〜12月にはクラウドファンディングの力を借りてニューヨークとロサンゼルスでの上映を実現。

八木監督
「ニューヨークとロサンゼルスで上映したのはアカデミー介入するためです。ハリウッドの映画に反証した映画なので、やっぱりハリウッドの人達に見せたかったんです。 」

アカデミー賞にノミネートされるには高いハードルがあるのですが、『ビハインドコーヴ』は諸条件をクリアし、見事その土俵に上がりました。

八木監督
「アカデミー賞の映画に文句言っている映画なのでもちろん落とされますけど(笑)、でも、同じ土俵に載せたことで、白人社会と言われるアカデミー界隈の人達みんながこの映画を見たワケです。その時の論評が ”上から目線の映画” だったんですね。決して上から目線の映画ではなく客観的な事実とありのままの太地町の姿を映画にしただけです。それを結果的に彼らが 『上から目線』 だと感じたのなら、ある意味 『勝ったな』と思いました。」

日本での上映会には大学教授や政治家、官僚経験者ら名だたる顔ぶれが多数来場。八木監督が意外だったと語るのはアメリカの上映会での反応。感情的な批判を覚悟していたが、「知識の一つとしてとても貴重だ」 「アメリカでは知ることの出来ないことを教えてくれてありがとう」 「これこそがドキュメンタリーだ」 等々、予想に反して好意的な反応が多かったそうです。大学のライブラリーにぜひ入れたいとの問い合わせも殺到。

 

捕鯨問題を語る八木さん

映画の反応