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「町田忍の極楽へようこそ ~銭湯、色街、霊柩車の不思議な関係~」ライブレポート(10.1/24開催)

2010年02月08日

「そういう見方があったのか!?」と、目からウロコな発見をすると、
私はとても嬉しくて興奮してテンションが上がってしまう。
見えていなかったものが見えた、気付かなかったことに気付いた瞬間は楽しい!
カルカルのイベントではそういう瞬間に多々出くわすんですよね。

さて、本日は町田忍さんとまんじまるさんの両氏によるイベント、

町田忍の極楽へようこそ ~銭湯、色街、霊柩車の不思議な関係~

実は町田忍さんとまんじまるさんは、昨年3月に行われたイベント、
「プリンにしょう油でウニってホント? ~試してみましたウワサの食べ合わせ~」
で共演しており、これが終始盛り上がりっぱなし!

※「プリンにしょう油でウニってホント?・・・」のライブレポートはこちら

なので、この両氏が再び共演を果たす今回のイベントが楽しくないはずがない!
だって、タイトルからもう極楽ですよ。
極めて楽しいと書いて極楽!

さあ、今回は一体どんな面白い話が聞けるのか。
特に興味深いのはサブタイトルにある「銭湯、色街、霊柩車の不思議な関係」
銭湯、色街、霊柩車に一体どんな関係が隠されているというのか。
気になってきたところで、それではカルカルへ行きましょう!

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おおおっ、この日のカルカルは入口にのれんが!
銭湯に入る気分を演出した粋な計らいに気分も高まる。

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物販では銭湯のスノードームやペーパークラフトが売られていました。
非売品の特製・町田忍スノードーム、いやあ、よく似てるなあ。

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こちらは町田さん著書の銭湯本、
「ザ・東京銭湯」「関西のレトロ銭湯」「銭湯遺産」
さっそく私も一冊購入です。

ではこれより本編・極楽の世界へいざ!

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極楽への案内人。左からテリーP、町田忍さん、まんじまるさん

町田忍さんは銭湯だけでなく納豆やジュース、正露丸等のラベルを通して
昭和の庶民文化を研究している著名な方ですが、
さらにTBSのTV番組「となりのマエストロ」で「銭湯マエストロ」として出演されています。

まんじまるさんは水族館や博物館、仏像を武器に様々な活動を展開。
カルカルでは「水族館ナイト」「仏像マニアックス」などのイベントを手がけており、
さらに上記TV番組で「神社仏閣マエストロ」として出演されています。

つまり、今回のイベントは二大マエストロの共演!
う~ん、豪華!

●江戸時代の銭湯は混浴がデフォルトだった

まずは「銭湯」の話から。
銭湯の起源は800年前、鎌倉時代。
寺に置いてある浴室で湯銭を取る商売が行われるようになったのが
現代の銭湯へと繋がっていきます。

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だが、銭湯の歴史上注目すべきは江戸時代。
江戸時代の銭湯は混浴がデフォルト、かつ公然の恋愛が禁止されていたため、
恋愛の一旦は銭湯で行われていたとのこと。
イマドキの言葉で言えば婚活みたいなものですね。

しかし、ペリー来航(1854年)により銭湯事情が一変!
ペリーは日本に西洋の文化・文物を持ち込んだが、ついでに道徳も持ち込んだ。
男女混浴はみだらである、恥知らず、許し難いと。
それがきっかけで銭湯は男女混浴から男女別々の時代に変わり、そのまま現代へ・・・
あああ、生まれる時代、間違えた・・・

●銭湯は湯だけでなく目でも楽しもう

さて、銭湯の歴史を一通り学んだ後、今度は建築物として見た銭湯の話へ。

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町田さん曰く、キング・オブ・銭湯「大黒湯」
歴史や伝統、格式といったものを感じさせる重厚で見事な門構え!

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かつ大黒湯の天井には一つ一つ異なる日本画が百枚近くも描かれている。
この大黒湯のように湯を楽しむだけに留まらず、
外観や内装を目で楽しむことができるのも銭湯の魅力なんですね。

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紹介された数々の銭湯の中で、私が一段と目を惹かれたのが京都の「藤ノ森湯」
タイルの模様がエジプトかインドの高級な装飾品みたいでなんとも豪華!
ただ、町田さんはこの銭湯に入った時の様子を
「なんだか落ち着かない」と言っていたのですが・・・

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現在はカフェという最も落ち着く空間になっているのが面白い。
藤ノ森湯は2000年に「さらさ西陣」というカフェに生まれ変わったんですね。
元銭湯のカフェ、行ってみたい。

●銭湯に描かれた富士山に目からウロコ!

そして銭湯で目で楽しむといえば、やはりなんといっても富士山!

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ペンキ絵師により銭湯の壁には見事な富士山が描かれていますが、
この富士山についての町田さんの考察が実に素晴らしい。

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銭湯に描かれている富士山の下は大抵の場合、水が描かれている。
これは霊峰・富士山からきた水が湯船に流れているということ。
つまり、人々は霊山の清められた水の中に入っているのである。

目からウロコ!
この話を聞く前の私の目には単に富士山しか見えていなかったが、
今は霊峰・富士山から流れた水が銭湯へ入っていく様子がありありと見える。
富士山の描かれた銭湯の見方が全く違うものになった瞬間。
この瞬間が楽しいんですよね。

●滅多に見られない霊柩車コレクション

続いては「霊柩車」の話。

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昔の霊柩車はそもそも車ではなく、輿(こし)という乗り物を人が担いでいました。
輿は神輿(みこし)の輿。
神輿は神様を運ぶ乗り物だから、「神輿 - 神 = 輿」
つまり、輿は人を運ぶ乗り物というわけですね。

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でも、人が輿を担ぐのは大変だということで、輿を車に乗せるようになり、
やがて輿も車も豪華になっていって、現代の霊柩車に至るというわけです。

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め、めちゃくちゃカッコイイ!
乗ってみたい!
えっ、もちろん前の席ですがなにか・・・

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赤い霊柩車! 山村美紗サスペンス!
これは富山の霊柩車。
霊柩車にも地域毎の特色があるなんて知らなかった・・・

●普通じゃイけない、遊郭の外観

いよいよラストは「色街」の話。
遊郭と言った方が分かりやすいですかね。

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大阪・飛田新地の「鯛よし百番」
ここは大正初期は遊郭だったが、現在は料亭になっています。
さっきは元銭湯のカフェが紹介されましたが、今度は元遊郭の料亭。
なんだか面白いですね。

遊郭というのは普通の家と同じではいけなくて、
概観やエリアから一見して遊郭だと分かるようにしないといけないという。
なるほど、たしかに地方のソープランドとか、ドイツの古城みたいなのありますよね。

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この遊郭はどこかエスニックというか、オリエンタルな雰囲気が・・・
バンコクにこういう建物あったような気が・・・

●銭湯、色街、霊柩車の不思議な関係

以上、銭湯、霊柩車、色街と次々と面白い話が行われていきましたが、
サブタイトルの「銭湯、色街、霊柩車の不思議な関係」とは一体何だったのか?

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答えは唐破風(からはふ)
上記写真の黄色い矢印で示したところが唐破風です。
屋根に付いている三角形部分の造形は破風(はふ)と呼ばれていて、
唐破風はその破風の仲間。
たしかに銭湯にも色街にも霊柩車にも唐破風が付いていますね。

ただし、この唐破風は表向きの答えに過ぎなかった!
真の答えが次の町田さんの一言に・・・

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この唐破風を構える入口は極楽浄土への入り口、
唐破風は極楽浄土の入口を示すサインなのではないか。

た、たしかにそう言われてみればそう見えてくる。
それによくよく考えてみたら、銭湯では「極楽極楽~♪」と言うし、
霊柩車は極楽への乗り物とも考えられるし、遊郭は言わずもがな極楽だし・・・
そうか、銭湯、色街、霊柩車の関係は「極楽」だったのか。

「町田忍の極楽へようこそ ~銭湯、色街、霊柩車の不思議な関係~」

なるほど、答えは既にタイトルの中にあったわけですね。
上手いなあ・・・またもや目からウロコだ・・・
銭湯、色街、霊柩車の話から極楽へ繋がった二時間半。
文字通りの極楽、極めて楽しいイベントでした!

●エピローグ ~そうだ!極楽へ行こう!~

イベント帰りの電車内、物販で買った銭湯本「ザ・東京銭湯」を読んでいたら、
下の一文でトンでもないことに気が付きました。

のれんをくぐるとその先は、極楽浄土の空間だ。

そ、そういうことだったのか!

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カルカルの入口ののれんは銭湯に入る気分を演出したのだと思っていたが、
本当の意味は極楽浄土への入口、カルカルを極楽浄土に見立てていたわけだったのか!
あああ、目がウロコだらけでもう前が見えない・・・

ん? ということは、この帰りの電車・・・
今自分はまさに極楽浄土を離れ、世知辛い現世に戻っているということなのか・・・
う~ん、そう考えるとなんだか寂しい・・・
そうだ! 銭湯へ、極楽へ行こう!

(ライブレポーター・えの)