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見学とトークの初コラボイベント大成功!『土木の魅力を語ろう!~“羽田D 滑走路現場見学”&“土木技術者と語る”』

2010年02月22日

数多いイベントの中で参加者全員が「ヘルメット&ライフジャケット着用」の前代未聞?の「イベント」が開催されました。
そのイベントとは、「空港の滑走路建設現場へ見学」に行ったのち、カルカルで「土木技術者と語る」土木づくしの土木ファン必見のイベント!!

行き先は羽田空港・D滑走路建設現場
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今年10月の開港を目指して工事が進められている新滑走路

品川へ集合し、バス2台で羽田空港内にある「D滑走路展望台」で見学の注意事項やコースの流れを説明していただきました
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案内をしていただけるのは、現場で仕事をされている現役の技術者の皆さんです。

真剣な話と重装備に、参加者も「この先建設現場に向かうんだ」と、緊張な面持ちで説明に聞き入ります。

 ★ここで、簡単に「D滑走路」の概要を説明
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現在地は羽田空港の南西角。ここまでは一般の人も入れます。この沖合に「D滑走路」を建設中で、そこへ見学に行きます。

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実はこの滑走路非常に特徴的な滑走路で、全長3000mの人工島を建設しているのですが、東側2000mは通常の埋立工事で、西側1000mは桟橋型と呼ばれる浮上型滑走路なのです。

でも、なぜ宙に浮いた桟橋型滑走路を作ったのかと言うと
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空港西側には多摩川が流れ、この流れを妨げてしまうと東京湾に大きな影響を与えてしまうことから、多摩川にかかる部分を宙に浮かせ影響を最小限に抑える計画になっています。
また滑走路東側には第一航路と呼ばれる東京港の航路(海の道)があるため、東側に滑走路を動かすわけにもいかなかったそうです。

そんな、過酷な状況からこの「とんでもない土木工事」が行われました。

それでは現場へ向かいましょう。
(この先は、活字よりも画像を見てもらった方が解りやすいです)
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参加者全員にヘルメットとライフジャケット装着、カルカルのイベントとは思えない・・・

バスに乗り、空港内へ突入
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バスの前を横切る飛行機に参加者のテンションもアップ!

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羽田空港から連絡橋を通って、D滑走路建設現場へ

やってきたのは桟橋型滑走路の上部です06
現在地はここ↓
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到着した場所は、すでに別世界?
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目の前には広い現場と巨大な重機と着陸態勢の航空機

ここには「見学台」が設置されていました。

回りに何もないので見晴らし最高

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しかし、登ってみると「あまりの広さに皆さん唖然・・・」

そこにあった物は、すべてが『桁外れ』の大きさの物でした。

広い滑走路上は「ジャケット」と呼ばれる床パネルの組み合わせ。パネルと言っても1枚が体育館のような大きさの巨大パネルが数千枚も集まったものでした。

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町中で見たら「どんだけ大きいのだろう?」と、思うような巨大重機も、ここでは普通サイズ

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目の前を通過したフォークリフトも、超巨大

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見学台からは、桟橋と埋立地の接合部分も見ることができました。

この時点で、すでにお腹イッパイだったのですが・・・
次は、現場の方々の特別な計らいで、予定にはなかった

ジャケットの下に潜れることになりました。

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一行は、ライフジャケットのありがたみを感じながら下へ

そして、目の前に広がる景色に声も出なくなりました
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広がっていたのは、総ステンレス張りの橋脚軍でした

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目の前に広がった「見たこともない景色」に、参加者一同、ため息のような歓声が・・・

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数多くの土木現場の見学をされていた方々も、コレには圧倒されてしまった様子。こんなに巨大で美しい柱の集団は2度と見られないかも?

次は「ジャケットの接続工事部」に歩いて見学へ
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遠目には大きさが解らなかった部分も、近くで見ると梁(ハリ)1本の断面が3m近くあることに驚き!

床内部にはダクトのような物があったので、何か質問したところ「メンテナンスの為に車両が走る線路」だそうです。

すべての物が大きすぎて・・・すでに参加者の感覚が麻痺状態へ?

盛り上がる一行の回りでは、当然工事が進められ、生の現場も見ることができました。
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偶然B滑走路には「ハイチ大地震」復興へ向かう為に「政府専用機」もやってきました。

こんな場所から航空機を見られることは2度とないので、航空ファンも泣いて喜ぶイベントです。

ここで、バスに戻り次は埋立工事側へ移動です。

バスに揺られること10分
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到着したのは、こんな場所ですが、ここはと言うと・・・現在地↓0003
滑走路の東側先端!

埋立地区の最前線へやってきました

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滑走路の先には建設中の誘導灯が見えています

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ここでも、皆さんカメラをアチコチに振り回して大忙し

目の前には、見たことも無いような大型重機が作業を続け

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信じられないような重ダンプ(50t)が、砂利を運んできます。

すべてが「けた外れの大きさ」で、我を忘れシャッターを切りまくる見学会でした。

無事、現場見学を終えた一行は、バスでお台場の「カルカル」へ移動し、ここで昼食。

午後の部は「土木技術者と語る」トークイベント
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左より西山芳一さん(土木写真家)小島健一さん(社会科見学に行こう!主宰)須田久美子さん(土木技術者女性の会)羽田D 滑走路建設共同企業体の皆さん

土木写真家の西山さんによる土木工事画像をもとにしたトークでは、単に土木とは「土と木」ではなく、巨大な重機や鋼鉄のマシンが動くとてつもない魅力を秘めたものだというものでした。
また、土木撮影はタイミングが重要で、雪の中や早朝に現場に張り付くことも多いとか・・

そして今日の本題へ話は進み、D滑走路は100年後までどう使って行くか?を設計段階から取り入れた巨大プロジェクトだそうです。

今回の計画で、何しろ大変だったのは

 広く見える東京湾も、実はとっても狭いということ

大きな航路と多摩川に挟まれた隙間を最大限に利用した計画で、工事は滑走路東側の航路を対岸の埋立地ギリギリまで移動する工事と並行して行われていました。
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空と海の土木工事を同時進行で行っているとんでもない工事だった

実はD滑走路は高さもスゴイ!

通常の海上滑走路は海から5m位ですが、D滑走路は17mまで上げているそうです。その理由は航路に近すぎて大型船舶が飛行機とぶつかってしまう危険性があるからだとか・・・

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とんでもない、工事ですよね・・・司会の小島さんも、興味津津

どうしても桟橋構造部分を注目しがちですが、埋立地にもスゴイ技術が結晶されています。

滑走路を作るのに、まず防波堤を作る石を全国から集め、中を埋める砂は千葉から大量に毎日運んでいるようです。

その量たるや4000万立方メートル。あまりにも数字が大きいのでピンときませんが、これは毎日8万立方メートルの砂を運んでいる計算で、大型ダンプ1万台分が毎日運び込まれているそうです。
ちなみに千葉県全部のダンプを集めても7千台・・・それだけ聞いても巨大な工事ですよね。

D滑走路の建設にあたって、空港と滑走路をつなぐ連絡誘導路も非常に重要

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D滑走路と空港を結ぶ桟橋は、大型旅客機エアバスA380がすれ違いできる幅があります。

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何しろ、稼働している空港の脇での工事がとても大変だったらしく、基本は現地で作るのではなく、よそで作ってきたものを積んでいくプレキャスト工法を採用しています。

特に大変だったのが、ジャケットと呼ばれる桟橋構造の設置37

設置するのに巨大なクレーンが必要ですが、クレーンを積んだサルベージ船は高さ70m、これだと作業をしていると飛行機にぶつかる可能性もあるので、途中で折れ曲がった特殊なクレーンもこの為に作ったそうです。

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埋立開始時には、大きなクレーンが並ぶ壮観な風景も

しかしこれがすごく大変

何しろ重機が大きいので、飛行機にぶつかっちゃう可能性があるらしい。

日中は他の場所に集まって避難して航空機の離発着が終了したら大きなクレーンが18隻出てきて、朝までの工事になったそうです。

先日は、鳩山総理が中国訪問の帰りに到着時刻が5時間ほど遅れて、工事が深夜1時からになったとか・・・これも政権交代の影響?

質疑応答も会場からは多くの質問があり盛り上がりました。

最新の土木工事が間近で見れて、D滑走路の建設がいかに『すごいもの』かというものがよくわかりました。

土木工事と聞くと、穴を掘ったり崖を崩したりという工事のイメージがありますが、国家プロジェクトと言う「地図に残る仕事」を背負ったすばらしい仕事場を見ることができ参加者の皆さんもとっても満足な様子

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この滑走路に1号機が着陸する姿を想像しながら、日々頑張っている皆さんの世界を垣間見た素晴らしい1日でした。

(ライター・クロスケ)