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『粒谷区立ツブヤ大学レギュラー講座 RaKuGo3限目 ラクゴ イズ デッド ~落語はすでに死んでいる~』ライブレポート(10.3/23開催)

2010年04月30日

ますます話題騒然、人気急上昇中のTwitter。そのTwitter上に作られた仮想都市「粒谷区」をご存知でしょうか。Twitterユーザーのコミュニケーションの場として作られた粒谷区には現在一万人以上の区民がいて、きちんと区役所があったり、住民票が発行されたり、大学の講義やサークル活動なども行われています。

さて今回はそんな粒谷区から大学である「粒谷区立ツブヤ大学」がお台場に出張!人気講座の一つ「RaKuGo」の講師である落語家・立川こしらさんと今回ゲスト講師のお笑い評論家・ラリー遠田さんを迎えて、現在の落語界、そして今後の落語界について語っていただきました。
題して『ラクゴ イズ デッド』。現在は様々なジャンルのお笑いが次々と登場し、江戸時代より続く「元祖お笑い」である落語は瀕死の状態…、いやもしかしたら既に死んでいるのかも!?

はたして本当にそうなんでしょうか?さあ熱いトークバトルの始まりです!

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お台場にツブヤ大学開講!今宵の講座は立川こしらさんによる「RaKuGo」です。ハッシュタグ#univ228Qで受講生の皆さんにもご参加いただきました。

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お笑い評論家ラリー遠田さん(左)をゲスト講師に迎え、落語界の明日を熱く語る特別講座! 

ツブヤ大学「RaKuGo」の講師を勤める立川こしらさんは、立川志らく師匠の弟子で、元々はバンドマンとして芸能界入りし、その後劇団員、お笑いコンビを経て、現在の道へと入門。そのきっかけも最初は「相方に逃げられちゃった、どうしよう…。あ、落語なら一人でできるぞ!」とそんな感じだったそうです。もちろん同期の他の弟子は皆落語に詳しく上手な人たちばかりでしたが、自分は下手でもいい、とにかく自分が面白いと思ったことをやってみる、もしも全然ウケなくてもその時はまた転職すりゃいいんだからと当たって砕けろのチャレンジ精神で続けていたところ、いつのまにか同期の弟子は全員辞めてしまっており、自分だけになっていたそうです。そしてインターネットが大好きとのことで、もちろんTwitterにもはまりまくって、いつの間にやらツブヤ大学の講師になっていたという型破りの落語家です。

それに対するはお笑い評論家のラリー遠田さん。「THE芸人学」「この芸人を見よ!」などのお笑いに関する本を何冊も出されており、現在雑誌などでも大活躍中の「おわライター」を自称するお笑い評論の第一人者です。

まずこしらさんから落語について大きな疑問が投げかけられました。「はたして落語は『お笑い』なのか?」
それに対するラリーさんの答えは「現在の落語の一般的な認識は、お笑いと伝統芸能の中間くらいの存在ではないか」とのこと。こしらさん「うーん、やっぱりなんか中途半端な存在なんだなあ、落語って…」とちょっとガッカリの様子。
しかしそれを聞いたラリーさん「いや、その中途半端さがいいんですよ!どちらにもなりうるニュートラルな存在、それが落語です!」と力説。まだまだ落語には無限の可能性が秘められており、未来へとつながる話芸なのだそうです。それでは今後の落語の新しい形とはどんなものなのでしょうか。

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TwitterとUstreamで講師と受講生のリアルタイムの意見交換が行われます。

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落語は本当に死んでしまったのか!?落語の未来はどうなるのか!?大激論!!

「笑点=落語」

一般の方がイメージする「落語」といえば、やはり「笑点」が代名詞でしょう。実際私の周囲でも落語というと「あ、座布団もらえるやつでしょ」という人もけっこう多くてビックリします。以前よりも落語家の出演番組は減ってしまいましたし、笑点でも最近はすっかり演芸+大喜利のパターンになってしまいましたし…。

しかし「笑点≠落語」。

あくまでも笑点は「落語家がやっているテレビ番組」なのです。
ラリーさん「元々は大喜利というものは、寄席で時折落語家が余興としてやっていたもので全然メインではなかった。しかしテレビ番組というものを考えた時に一番効果的な形が大喜利であった」 つまりテレビでは視聴者を飽きさせず、チャンネルを換えさせないためにスピード感のある笑いが求められ、落語の中での効果的な形が笑点の大喜利だったそうです。

 

そして落語界の偉大な先人たちがテレビという新しい文化に対応したのならば、この現代のインターネットにも対応するのが必要だと、こしらさんもブログやTwitterなどに積極的に取り組まれています。

やはり落語の真の魅力である「噺」をじっくり聴いてもらいたい。そこで今回こしらさんが提案したのは「ポッドキャスト」。現在さまざまな携帯端末が普及し、通勤通学の電車内でもポッドキャストを楽しむ人が増えてきました。話芸である落語はまさにピッタリであり、通勤時間に聞くのは長さ的にも丁度よく、ポットキャストを通じて今まで落語を聞いたことのない世代にも落語の楽しさを伝えることができるのではないか、そう考えているそうです。

ラリーさん「相性いいと思いますね。これからの通勤時間にゲームアプリに代わるのは落語ですよ!」
こしらさん「…うーん、でもネットできる落語家ってあんまいないからなあ」
ラリーさん「ええっ?そうなんですか!?」
こしらさん「だって楽屋でパソコンやってたら、名前わかんなくて、いまだに『あんちゃん、ピコピコやってんね~』だよ」
ラリーさん「……」

まだまだ落語界にインターネットの風を吹き込むのは時間がかかりそうですが、どうぞ頑張ってください、こしらさん!

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受講生へのお題は「落語好き?嫌い?」はたしてその回答は!?

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受講生からの鋭いツッコミが次々と炸裂!さすがのこしらさんもたじたじ!

今回はTwitterとUstreamを通じて、会場のお客さんや視聴者の皆さんから落語についてのリアルな意見や質問も伺いました。

「落語は好きです。タイガー&ドラゴンを見てはまりました」
こしらさん「こういうドラマどんどんやってほしいね!昔は落語家というだけで、合コンでモテなかったから!」
ラリーさん「別にそれって落語家と関係なくて、こしらさん自身の問題なんじゃ…」
こしらさん「……」

そして「落語が死んでいるのではなく、落語家の感性が死んでいるのでは」との手厳しい意見も。
こしらさん「はい、すいません!落語は死んでおりませんでした!」

今回の対談を通じて、こしらさんもまた一段と意欲が燃え上がったようです。こしらさんのような方がいる限り、落語はこれからも進化し続けていくことでしょう。

 

『ラクゴ イズ フォーエバー』

 

(ライター H.S.)