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我々はもっと上手く図書館を活用できるはず!様々なサービス、製本や修理まで深く語る。しれっと大人気『図書館日和3 ~いっそ、図書館に住んでしまいたい気がする~』ライブレポート(10.5/23開催)

2010年06月03日

我々は図書館のこと、実は何も分かっていないのではないだろうか・・・

カルカル発の図書館トークイベント・図書館日和。
これまでの二回で図書館と図書館に関する様々な内容を楽しんできましたが、
この三回目は思わず上記のことを考えてしまうくらいパワーアップして行われました。

図書館日和3 ~いっそ、図書館に住んでしまいたい気がする~

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この日は朝からあいにくの雨・・・
でも、雨の日ってなんだか集中力がUPして、本を読むのにとてもイイ日だと思う。
雨音をBGMにしたりしてね。
なので、これぞ図書館日和だなあなんて思いながらカルカルへ・・・

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図書館日和、三回目にして最もお客さんが多かった!

そして今回の図書館日和3では特別に、
「読まなくなった本を持ってくると、持ってきた分だけ本の交換ができる」
という企画が行われました。
同じくカルカルのブックイベントであるブクブク交換のプレゼンなしVerですね。
一体どれくらい本が集まるのだろうと思っていたのですが・・・

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テーブルに置ききれない程の数!
どの本もブクブク交換でプレゼンが聞きたくなりますね~

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図書館トークイベントということで本や書店に関する本が多く見受けられました。
この二冊、読んでみたいなあ。

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左からテリーP、「TOKYO図書館日和」著者・冨澤良子さん、元図書館員・武田浩介さん、
東京都立中央図書館/日本図書館協会 資料保存委員・真野節雄さん

一回目、二回目に続き、冨澤さんと武田さんが登場。
さらに今回は特別ゲストとして東京都立中央図書館から真野節雄さんを向かえ、
図書館日和3、いよいよスタートです!
今回のサブタイトルが「いっそ、図書館に住んでしまいたい気がする」ということで、
まずは冨澤さんの住んでしまいたい図書館特集が行われました。

●ライブラリ・オブ・ザ・イヤー!

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ライブラリ・オブ・ザ・イヤー2008に輝いた千代田図書館
ライブラリ・オブ・ザ・イヤーという賞があること、初めて知りました。
2006年から始まったこの賞。
2007は愛荘町立愛知川図書館(滋賀)、2009は大阪市立中央図書館(大阪)
今年はどこの図書館になるのでしょうか。

●図書館にコンシェルジュ!?

そんなライブラリ・オブ・ザ・イヤーな千代田図書館の驚くべき点は・・・

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コンシェルジュ!
コンシェルジュの仕事は本の検索や図書館の案内など、
窓口的な業務はもちろんのこと、図書館ツアーのガイドも行っているという。
図書館ツアー・・・面白そう!
他にも文章のライティング講座など、魅力的なワークショップや企画がたくさん。
なるほど、図書館と人を繋ぐのは本の貸し借りだけじゃないんだなあ。

さらにはホテルのコンシェルジュのように街の情報案内もするという。
例えば、午前中図書館で過ごしてお腹が空いた時、
「カレーが食べたい。どこか美味しい店はないかな~」
と思ってコンシェルジュに相談すると美味しいカレー屋情報を教えてくれるとか。
う~ん、いたれりつくせり!

●図書館で子育て支援も

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北区中央図書館は2009年のグッドデザイン賞獲得!
赤ちゃん連れのお客さんでも快適に利用できるように建物が考えられていて、
子育ての情報支援も行っているという。
ここでもまた図書館と人との繋がりが見えてきましたね。

●個性的な図書館の数々

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明治時代に建てられた帝国図書館が平成になり、
国立では日本初の児童書専門図書館・国際子ども図書館となりました。

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階段一つ取り上げても明治時代から続く歴史の重み、格式の高さが伺える。
建物の構造にすら言及する図書館日和、深い・・・

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新宿にある日進食品・食の図書館
レシピだけじゃなくて食にまつわるエッセイなども置いてあるそうで、
私はここにいっそ住んでしまいたい!

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司馬遼太郎記念館
司馬遼太郎氏が所有していた膨大な蔵書が壁一面に並べられている。
その数なんと二万冊以上!
ここまでくると図書館というよりミュージアム・・・アートの世界だ・・・

冨澤さんの住んでしまいたい図書館特集、
窓から見える景色や椅子の座り心地といった過ごし方の面でも話が広がるなど、
冨澤さん、本気で住むつもりじゃ・・・なんて思ってしまうくらい
聞き応えのある図書館トーク、とても楽しかったです。

●我々はもっと上手く図書館を活用できるはず

続いては元図書館員・武田浩介さん。
カルカルのイベントでは珍しくスライドなしのトークでお客さんを魅了する方。
今回も図書館員時代に起きたエピソードをいくつか披露してくれました。

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武田さんの話で最も興味深かったのは、
かの落語家・立川談志が参議院議員だった頃の国会発言の話。
図書館の増築や発展のため国に力を貸してほしいとお願いするする説明側と
努力していきたいなどという国務大臣のやり取りに対して、

談志師匠 「図書館にあるものが上手に運用されていないのではないか?」

例えば、目的の本がどの図書館にあるのかを電話やネットで調べるサービスや
他の図書館から本を取り寄せるサービスなど、
図書館が持つサービスは数多くあるのに、そのことを知らない人が殆どだという。
そして、日本の図書館利用率や貸し出し冊数が諸外国と比べて圧倒的に少ないのは、
その「知られていない」ということが原因の一つではないかと・・・

知られていないのは存在していないのと同じとはよく言ったもの。
そういう意味では発信側が頑張らなければならない。
日野市立図書館の館長である前川恒雄という方は、
図書館を市民に根付かせ、生活や人生に密着させようと様々な活動をされていて、
その結果、貸し出し冊数が世界のトップクラスに肩を並べる程になったという。
国が何かしてくれるのを待つのではなく自ら行動し、活路を開く人もいるのだ。

我々はもっと上手く図書館を活用できるのかもしれない・・・いや、活用できるはず!
ツアーもそう、コンシェルジュや子育て支援もそう。
図書館のことを知れば知るほど我々の生活や人生は豊かに、
そして幸せになるのではないかと思いました。

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休憩時間中は本の集まったテーブルがお客さんで盛り上がっていました。
本持ってきたお客さん、面白い本は手に入れられましたか?

●後半は特別ゲスト・真野節雄さんによる製本と修理の話

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後半のメインは東京都立中央図書館の司書で本の修理をされている真野節雄さん。

真野さん 「本を直すためにはまず作ってみる」

なるほど、言われてみるとたしかにその通りだなあ。
構造を知らないと直せない、本の修理を行うためにはまず製本から・・・
ということで、後半は製本と修理の話を中心に行われました。

●タイトバック、フォローバック

ページが開きやすい本は痛み難いという。
ページを開いてもすぐに戻ってきてしまう本ってありますよね。

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例えばこういうの。
開いたところを固定するために力を加えたりしますよね。
そしてあまりに強く力を加えてしまったため、綺麗に閉じなくなってしまい、
悲しい思いをするパターン・・・でも、

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このように表紙と中身を接着せず、背の部分を浮かせることで
本が開きやすく、かつ痛み難くすることができるという。
これらは製本技術の一つで、前者をタイトバック、後者をフォローバックといいます。

テリーさん 「フォローバック。みなさん、mixiに書いてくださいよー」

「mixiに書いてくださいよー」、最近のテリーさんの十八番です。

●本が破れてしまった時の正しい修理方法

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本を修理する時は強固にするより柔軟にするという真野さんは
本が破れてしまった時の直し方に関しても言及。

テープは張ったところだけが強くなり過ぎて他の部分が壊れやすくなる・・・
ボンドは一見楽だが二度と修理ができなくなる・・・
これらは直したように見えて、実は全然直っていないんだと・・・
なので、こういう時はでんぷんノリがBESTとのこと。

イイじゃん、テープで・・・って思いました?
個人が持つ本なら早々頻繁に繰り返して読まないのでそれでもイイのですが、
図書館の本は様々な人に何度も読んでもらう必要があるから
正しい方法で直す必要があるんですね。
個人の本でも一生大事に取っておきたいなら、
もしも壊れた時には正しい方法で直したいですね。

●絵本・ルリユールおじさん

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大事な図鑑が壊れてしまい、それを直したい少女と
本造り職人のおじさんとの物語を描いた絵本・ルリユールおじさん。
製本の過程も分かりやすく描かれていて、
冨澤さん、武田さん、真野さん、全員がとても素晴らしい本だと言います。

●紙の目に逆らうことなかれ

みなさん、紙の目って知ってますか?
例えば野菜で繊維に沿って切るのと逆らって切るのとで違いが出るように、
紙の目も扱う方向で大きく違いが出るという。

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矢印が示すのが紙の目の方向で、上記は紙の目に逆らって折った時の写真。
ああ・・・これあるある・・・綺麗に折れてくれなくてね・・・

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今度はノリを塗った時の写真。
横部分は紙の目に沿って塗ってるから綺麗。
上部分は紙の目に逆らって塗ってるからノリの箇所が波打ってしまい、
張った時に上手くいかず、汚くなったりする・・・
これ、自分でやって何気に腹立つんだよなあ・・・
そうか、紙の目が原因だったんだなあ・・・

最後に真野さんは本を直す職人が少なくなってきていると言いました。
武田さんも組織の仕事として本の修理ができる人の育成を行う必要が
あるのではないかと・・・
文化財としての貴重な本の存在とその価値を失わないために、
真野さんが言った課題が解決される時が来るとイイなあと思いました。

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図書館日和3、いかがでしたでしょうか。
数多くの個性的な図書館やサービス、エピソード、そして未来に目を向けての活動など
様々な視点から語られる図書館の魅力。
さらに今回は製本や修理といった普段なかなか耳にすることのない話も聞けました。
図書館は上手く利用して、本は大切に扱っていきたいですね。

(ライブレポーター・えの)