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本が本を呼び、そこから新しい世界へと繋がる。きっかけはその一冊から。自分の持ち込んだ本に名刺を挟んで交換、交流するブックエンターテイメント!『月刊ブクブク交換vol.6“墓場まで持って行く文学作品”』ライブレポート(10.5/24開催)

2010年06月08日

4月末に行われたvol.5から一ヶ月。
ブクブク交換は居酒屋や代々木公園、フィレンツェでも行われ、
さらに大手書店の閉店後や今年9月に開催される高遠ブックフェスティバルでも
企画されているというくらい広い展開を見せています。
このように自由度が高く、新しい企画を次々と提案できるブクブク交換。
その可能性は一体どこまであるのでしょうか。

さあ、月刊ブクブク交換vol.6 in 5月!
「人生」「快楽」「酒と音楽」をテーマにしたvol.3
「人生を変えた漫画」をテーマにしたvol.5に続き、カルカルで三度目の開催!
今回もブクブク交換から誕生した新しいアイテムが見受けられました。

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おお、カスタムチロルチョコ・DECOチョコがブクブク交換仕様に!
見た瞬間笑ってしまいました。

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そしてカルカルのイベント限定ドリンク・ブクブクサワー!
ブクブク交換は飲み食いしながらやるのが楽しいんですよね~

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ブクブク交換のロゴ入り原稿用紙!
他、しおりもありました。
一つロゴが決まるといろいろと応用が利くんだなあ。

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前回に続き、お客さんには持ってきた本に対して
ブクブク交換のロゴ入り付箋紙にコメントを書いて張っていただきました。

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本を花束と表現したコメントに感動!
こういう本屋で売っていない本との出逢いってどこか運命的なものを感じます。

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今回のテーマが文学なだけに集まったどの本からも名作の雰囲気が漂う。
私の知らない本ばかりだ・・・
そう、今回は前回の漫画とはガラリと打って変わって文学なのです!

月刊ブクブク交換vol.6 『墓場まで持って行く文学作品』

文学か・・・困った・・・そんな本、うちの本棚に無いぞ・・・
文学って聞くと国語の教科書に載っている一昔前の文豪のイメージがあって・・・
いや、そもそも文学って何だ?
ネットの国語辞典で意味を調べてみると、

ぶんがく【文学】 [literature] 言語表現による芸術作品

な~んだ、なんでもイイんだ。
自分が芸術的だと思ったら、その本を文学として持ってきてOK!
ブクブク交換はテーマに対して正解を出すわけではないし、楽に考えてイイんです。
とはいえ、今回のテーマはさすがにお客さん悩んだよう・・・
特に「墓場まで持って行く」の意味で。
「文学」の意味で悩んだ私って一体・・・

さて、お客さんは「墓場まで持って行く」の意味をどのように捉え、
どんな本を持ってきたのでしょうか。

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左からブクブクマエストロ・あまやん、テリーP、ブクブクマエストロ・水のさん

●新しい趣味を見つけて墓場に行くまでお供にしたい

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ダンスの基本という本を持ってきた男性。
e+(イープラス)やtwitterでブクブク交換を知り、
夫婦でカルカルへ来てくれました。

現在59歳。退職して老後、これからの人生を楽しもうということで、
新しい趣味を見つけて墓場に行くまでお供にしたいと話してくれました。
心にじ~んと響く素敵な話・・・なんだか羨ましいなあ。

●あの世に行っても読みたい

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友人とテーマの意味を話し合ったという女性。
あの世に行っても読みたい、ずっと付き合っていきたいという意味でテーマを捉え、
持ってきたのは三浦綾子の塩狩峠

車両の連結器が外れ暴走した客車を止めるため、線路に身を投げ出し
自らの体を犠牲にして客車を止めた鉄道職員の実話を基にした物語・・・
自分が死んだ時、自分の人生が何かの役に立っただろうかということを省みるために
必要なんじゃないかと思い、戒めとしてこの本を選んだといいます。
あの世に行って生前の我が身を振り返る、か・・・後悔の無いようにしなきゃ・・・

●こんな世界に生まれ変わりたい

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死んだ後、生まれ変われるならこんな世界に生まれ変わりたいということで、
歌人・穂村弘のにょっ記を選んできた女性。

この本持ってたので帰って読み直した。
現実の日記なのに天使が出てきたりして、読んでて体がふわふわ頭がぐらぐらして
なんだかサイケデリックで心地良い本だった。
そうかあ、にょっ記を読んでこんな世界に生まれ変わりたいって思うのかあ。
誰かの感想を聞いて読み直したくなるというのもなかなか面白いものだなあ。
当然人によって本の感想は違うが、それを直接人の口から聞けるのが楽しい。

●カルカルに涼宮ハルヒ登場!

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カルカルにまさかの涼宮ハルヒ登場!

テリーさん 「さあ、何の本持ってきたんでしょうか?」
自称ハルヒ 「ええと・・・ハルヒ(涼宮ハルヒの憂鬱)です」
水のさん 「違う本だったらどうしようかと思った」

違う本だったら爆笑だよ!
本やアニメで一大ブームを巻き起こすくらい
ハルヒの人気が凄いのは知っていたが、私は全然内容知らなくて・・・

自称ハルヒ 「宇宙人、未来人、超能力者がハルヒを止めるんです!」

わ、分かんねえ・・・
あまやん曰く、ハルヒはセカイ系といわれるカテゴリの代表作で、
個人的な感情と世界の事件を結びつける新しい表現手法がセカイ系だという。
エヴァンゲリオンもそうらしい。
う~ん、さすがマエストロ、軽く着いていくなあ。

で、どうしてハルヒが墓場まで持って行くなのかというと、
棺おけに入る時の服装がハルヒなんだって・・・斬新な視点だ・・・

●漫読家・東方力丸 太宰を読む!

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漫読家・東方力丸、再びカルカルへ!
今回はテーマが文学ということで自身初の朗読バージョン!
本は太宰治の人間失格
「笑われて 笑われて つよくなる」という太宰の言葉が頭に浮かびました。

●本が本を呼ぶ ~ブクブク交換の可能性~

さて今回もお客さんのプレゼンを楽しく聞かせてもらったのですが、
中でも興味深かったのは20年程前に書店を経営していたという男性の話。
今のようにネットもtwitterもないので、人づてに書店の情報を広げていったという。

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今の時代、どうしたら本が売れるようになるのか?
それについて考えるためにブクブク交換へ来た。
書店をやっていた時、ずっと考えていたこと。
ブックフェアなどやったりしたが、ウける人にはウけても一般には広まらなかった・・・

男性の話はイベントの後半でした。
ブクブク交換へ来てこれまでの様子を見てきて一体何を感じたのか、
テリーさんが伺うと・・・

ブクブク交換は本同士を照らし合う。
目と目を見交わしてしゃべる。ネット上でやり取りできる。そして本が本を呼ぶ。
好きなジャンルや作家は芋づる式にハマっていくのが本好きというもの。
そのきっかけはこういう一冊から始まるわけで、
そういうのを見せられる場所があれば楽しいと思います。

たしかにこれまでブクブク交換に通ってきて、
お客さんの口から直接語られる話の面白さに惹かれ、
その度に自分の知らない新しい本に出逢うことができた。
そして手にした本からさらに関連した別の本へと繋がる・・・
本が本を呼ぶ、ブクブク交換はそういうきっかけを与える場になってきた。

それは本の繋がりに留まらず、人との繋がりにもなっていくかもしれない。
未知の世界の情報や新たな興味の発見に繋がるかもしれない。
偏見が崩れて新たな価値観を手に入れるかもしれない。
探している何かに出逢うかもしれない。

・・・

男性の話からいろいろ考えるところはあったが、
ブクブク交換が面白いことだけは間違いない。
これからもブクブク交換で楽しい本や話、人に出逢えるとイイなあと思いました。

男性が持ってきた本は死の棘(島尾敏雄)、柳生十兵衛死す(山田風太郎)でした。
今回お客さんが紹介してくれた本は上記の他にも、

氷点(三浦綾子)
夏子の冒険(三島由紀夫)
奔馬(三島由紀夫)
鬼平犯科帳(池波正太郎)
透明怪人(江戸川乱歩)
武器よさらば(ヘミングウェイ)
文学部唯野教授(筒井康隆)
幻の女(ウイリアム・アイリッシュ)
存在の耐えられない軽さ(ミラン・クンデラ)

などなど、たくさんありました。

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月刊ブクブク交換vol.6「墓場まで持って行く文学作品」
あるテーマに対して何の本を持っていくか悩むのが
ブクブク交換の面白いところでもあるのですが、
今回のテーマの「墓場まで持って行く」をお客さんが悩んだという話を聞いて、
悩むことの面白さ、楽しさがより一層感じられました。

そして次回ブクブク交換、さらにその先、今後の展開も楽しみです。
みなさんも本を持って是非ご参加ください。
新しい何かに出逢うかも。

(ライブレポーター・えの)