ネットとリアルをつなぐソーシャル飲食店

今夜日本VSデンマーク!「本田で行こう!」の一言が奇跡を呼んだ!?日本サッカー躍進の鍵はスペインにあり!?『W杯直前!明日の日本のサッカーを考える』ライブレポート(10.6/2開催)

2010年06月24日

ついにやってきました。2010年南アフリカワールドカップ(W杯)!
毎日毎日眠い目をこすりながら世界のプレイに酔いしれている方も
多いと思います。

今年は波乱の多いW杯ですね。その中でもサッカーファンを驚かせている、
2つの大きな「誤算」を起こしてる国といえば、この2カ国ではないでしょうか。

スペイン、そして、日本。

スペインは無敵艦隊と呼ばれる、華麗なパスサッカーを標榜する
前回のヨーロッパ大会のチャンピオンです。そのスペインが
初戦でスイスに負けるという大波乱がありました。第2戦は
勝利をおさめたものの、まさか第3戦までもつれるとは!と
思ったサッカーフリークは多いはず。

そして、ある意味最大の誤算といえるのが、日本です。

苦戦が予想された、世界的プレイヤーのエトー率いる
地元アフリカの雄・カメルーンとの初戦に1-0と勝利。
続く第2戦の相手は、優勝候補のオランダ。
0-1と敗北したものの、一年前に0-3で完敗を喫した
相手を脅かす試合ができていました。

そして、なんと、次のデンマーク戦に引き分け以上で、
日韓大会以来のW杯ベスト16に到達しようとしているのです。

正直、こんなに母国にどきどきさせられる展開を、
W杯前に、だれが表立って予想していたでしょうか?

W杯前の日本の状態は、はっきり言って最悪でした。
なんといっても、アジアのライバル韓国に0-3で完敗し、
イングランドに善戦したと思いきや、オウンゴールを
献上し、自滅して負けてしまう有様。

カメルーン戦ではエトーにずたぼろにされ、
オランダ戦でもロッペンに好き放題にされ、
第3戦デンマーク戦は消化試合ムードになると
予想していた方も多いのではないでしょうか?

嬉しい誤算に日本のサッカーファンが包まれ
華麗なサッカーが好きな人々がスペインの苦戦に気を揉んでいる
今だからこそ、このイベントの内容を伝えようと思います。

日本サッカーを語る鍵が、W杯で苦戦している無敵艦隊、
スペインにある。実は、それが、このイベントの裏テーマだったのです。
日本サッカーの未来とスペインは、どうつながるのでしょうか?

奇跡を起こした!?杉山茂樹、「1トップ本田でいこう」宣言!

「W杯直前!明日の日本のサッカーを考える」
そう題してイベントが開催されたのは、
日本が徐々にW杯熱を帯び始めた6/2。
イングランドとの親善試合を日本代表が終えた3日後のこと。

Img_7830

タイムリーなテーマに、問合せも殺到。会場も満席に。

なんと、ソフトバンクさんのご協力の下、
Ustreamで公式放送され、会場に来られなかった
のべ1,000人以上の方が、イベントを全国から見守りました。

Img_7834

ステージにあがったのは、この豪華な4名。

Img_7864

サッカージャーナリストの杉山茂樹さん。

Img_7851

スペインのユースチームでの指導経験もあり
育成に定評のある村松尚登さん。

Img_7861

コンサドーレ札幌で中心選手として活躍し、
今はサッカー番組の司会として巧みな話術で活躍する
野々村芳和さん。

Img_7849

更に、98年フランスW杯で岡田監督を知る男、
W杯予選日韓戦で日本サッカー史に残る華麗なループシュートを決めた男、
山口素弘さんがゲストとして加わるという豪華陣営。

まずは3日前のイングランド戦について、
激論が繰り広げられました。壇上の4人の意見は
「悪くないんじゃないか。」という点で一致。

「イングランド戦はみてていい気持ちがした。
 選手が楽しくやってる。闘莉王のシュートのときの
 ”してやったり!”っていう顔がいいね。
 イングランドとやれるていうのは選手冥利につきたんじゃないか。
 だからチームのモチベーション高かった」
とは、杉山さん談。
 
しかし、その上で勝てなかったことについて話題が及ぶと、
日本の永遠の課題ともされる「決定力不足」の問題について
激論が展開。

「大久保は元気だったけど…ポジショニングどうかなあ?」
「本田のコンディションが低いよね。チーム状況悪いと、
 下がるなと言っても下がっちゃう。」
「体力の使い方が下手。走ればいいってもんじゃない。」
「岡崎で大丈夫かな?消えてたよね。孤立してない?」
「松井使わないの?」「韓国戦で俊輔下げるタイミング悪かったね」
などなど、攻撃の選手についてさまざまな意見交換がされます。

Img_7837

それらの意見も踏まえ、
カメルーン戦のスタメンを考えてみようという流れに。

ここで、奇跡がおきました。杉山さんの一言です。

Img_7891

「オレ、FWは、本田の1トップがいいと思うんですよ。
 本田が一番、FWのメンタリティを持ってる。」

 
結果、壇上の野々村さんも本田を猛プッシュ。
ステージの4人が選んだFWスタメン予想は「本田1トップ」に。

Img_7859
ちょっと小さいですが、4人が選んだスタメン予想です。

そして、イベントの12日後の6/14。
スタメン発表の瞬間に日本が沸きました。

不動のFWレギュラーだった岡崎をベンチに置き、
まさかの、本田1トップ。

そして「FWのメンタリティ」を持つ本田の1点で、
日本はW杯で、8年ぶりの勝ち点3を上げたのです。

お台場で熱弁した4人の熱意が、
アフリカの岡田監督に届いたのかもしれません。

……まさか、岡田さん、Ustream見てなかったよね?

X2_1802b96
全世界に向けて配信されてたので、岡田監督がみた可能性が0とは言い切れない。

決定力不足…解消の鍵は、スペインのジュニア育成にあり!

日本の決定力不足を解消するためにはどうしたらいいかという
テーマに後半の議論は移っていきました。

日本人は体格的に不利。だから国際舞台では守り固めて
組織で勝つしかない。これが今の日本サッカーの流れですが、
登壇する4人は「攻撃的でコンパクトな現代的サッカーが
体が特に大きくないスペイン人にできて、日本人にできない
はずがない」「もっと面白いサッカーができる」
と主張します。

Img_7894

村松さんは、日本とスペインの育成の違いに触れ、
育成の方法を変えることでサッカーの質は上がり
日本のスタイルができていくと語ります。

「スペインは育成がしっかりしてる。日本では嫌われる
 ポジションがあるけど、スペインでは各ポジションの
 重要さをちゃんと教えそれぞれの特性を活かし
 適材適所でポジションをあてるんです。
 FWのメンタリティを持っている子供がいれば、
 適材適所で育てれば絶対に良くなる」

 
山口さんも日本の育成の不味さについて、次のように語りました。

「息子がサッカーやってるが、ある日、試合に出ずにかえってきたんです。
 試合に出ずに何やってたかときくと”みるのも勉強と監督に言われた”と。
 そりゃ観るのも勉強になるけど、試合でたほうが何倍も勉強になるじゃない?
 日本のジュニア層は試合数が非常に少ないから、
 レギュラー以外の子供がプレーする機会が与えられづらいんです。
 試合数が多ければ、色々なポジションで子供の適性を
 見出すことができる。」

村松さんが続きます。

「スペインのジュニアリーグはね、試合数が多いし、
 1試合で何人でも交代できるんです。
 だからレギュラー以外の子供も試合にでられるし、
 色々なポジションで試すことができるんです。」

Img_7887
真剣に聞き入る会場。

実は日本の高校サッカーはハイレベルと言われています。
実際ユース年代が世界大会で上位に食い込むことも珍しくありません。

しかし、そのあとの年代になると世界ランクが落ちていきます。

ステージの討論でその理由が垣間見えた気がしました。

おそらく、自分にとって最適なプレイスタイルを身に着ける
経験を積む場が圧倒的に日本では少ないのです。

経験が蓄積すればきっと、点のとり方、パスのつなぎかた、
攻め方、守り方がもっとエレガントになっていくのではないでしょうか。

スペインはW杯で苦戦しています。しかしスペインのスタイルは
守り固める相手だろうが、打ち合いに望む相手だろうが変わりません。

ボールを持ち、つなぎ、ラインをコンパクトに保ち、
エレガントに怒涛のように攻めていくスタイル。それこそが、彼らが
無敵艦隊と呼ばれるゆえんでもあります。

結果に関わらず「スペインのサッカーは面白い!」
「もっと観ていたい」と思わせる魅力が、確かにあるのです。

村松さんはこう笑顔で語ります。

「スペイン人はポゼッションサッカーに執着心を持っている。
 小さい頃からいい見本を見て育ってて、
 つながなきゃサッカーじゃないと思っているから。
 守りきって勝っても賞賛されないんです。」

【日本サッカーの未来のあるべき姿は、スペインサッカーが教えてくれる。
日本代表にも、勝っても負けても貫きとおせる”スタイル”を!】

そんな登壇者4人の力強いメッセージが、会場中に伝わっていきました。
来場した方、Ustreamをみていた方も、苦戦しても攻め続ける
スペインの試合を通じて、そのメッセージが間違いではないと、
再確信したのではないでしょうか?

強くても弱くても、代表を応援できる雰囲気になってほしい!
これが今の日本のサッカーだと、胸を張ってほしい!

日本サッカーへの強い提言が、元Jリーガーの
野々村さんからされました。

Img_7903

「岡田監督でいくなら腹くくって”これが日本のサッカーだ”って
 サッカー協会の偉い人がいってほしい。記者会見でも開いて
 会長が言えばいいんです。岡田でいく。
 これが日本の目指す方向だから応援してほしい…と
 堂々といってほしい。結果負けてもね。」

24日深夜には、日本対デンマークの試合が行われます。
結果がどうあれ、選手には胸を張ってほしいし、
観ているみんなは、拍手で彼らを鼓舞してほしいと思います。

「みんなが応援できる場をW杯に僕は期待してるんです。
 何か都合悪いことあると、誰が悪い、誰のせいだって
 揚げ足ばかりとる日本。なんか寂しいじゃないですか。
 だけど、そんな寂しさも忘れて、とにかく、
 強くても弱くても代表を応援しようという
 雰囲気になってほしいですよね。」

野々村さんの、まっすぐな言葉を、思い出します。

決勝トーナメントを賭けた試合。運命のキックオフまで、あとわずか。
あなたは目撃しますか?拍手しますか?
日本サッカーの今に、声援を……送りますか?

(河原あず/東京カルチャーカルチャー)