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他人になりすまして撮るとどうなる? 3ヶ月連続超画期的ワークショップ最終回!『大山顕の二ヶ月間ですごい写真を撮るワークショップvol.3』ライブレポート(10.6/16開催)

2010年06月30日

「いい写真」ってなに?「自分だけの写真」ってなに?

団地やジャンクションを始め、街じゅうのあらゆる「人々がいつも目にしているのに見ていない」ものを撮りつづけている大山顕さんによるフォトワークショップ、三ヶ月連続講座はいよいよ最終回!

→1回目:好きでもなんでもないものを撮るとどうなる?
→2回目:とにかく同じ時刻に撮るってのを1ヶ月続けるとどうなる?

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すっかり顔なじみになった参加者たちは、前回と同じ席に着席。事業仕分けスタイルのレイアウトと相まって、なんだか学校みたいです(ここはカルカルなのに!)。前回のワークショップが始まる前、大山さんは「何が出てくるかわからないので、今までやったイベントの中で一番不安」と仰っていたのですが、今回は誰ひとりとして何が起こるかわかっていないという。あまりにも実験的な試みとなりました。

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今回の宿題は「他人になりきって一ヶ月写真を撮る」こと。前回ペアを組んだ人のつもりになって、毎日一枚写真を撮る。当初の予定では、「誰かが自分になりきって撮影した写真を、さも自分が撮ったかのように説明する」課題だったのですが、試しに大山さんがやってみたところ、あまりに難易度が高すぎると判明。急遽「撮影した人が、どの辺が相手っぽいか解説する」というスタイルに変更。

しかし、これでもかなりハードルは高い。しどろもどろのなかに、時折はっとする一言が混じるようなプレゼンが展開されていく、大変エキサイティングな時間でした。この日の模様はUstreamで生中継&アーカイヴされています。中継中につぶやかれた外部からの反応もtogetterにまとまっていますので、そちらもあわせてご覧ください。

→Ustream:大山顕ワークショップ vol.3
→Togetter: 2010年6月19日「2ヶ月間ですごい写真を撮るワークショップ」最終回3回目UST中継への感想

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プレゼンの中で発せられた印象的な一言と、ワークショップのテーマに対する問題提起をひろってみました。

  • ・「こういう人じゃない?」という見立てが正確かどうかは、あんまり問題じゃない(結構違っていた)。
  • ・自分ではこういう写真は撮らないなと思うけれど、いつも自分が撮っている写真に自分は現れているのだろうか
  • ・たとえ技法的に相手の真似をしても、相手になりきることはできないんじゃない?
  • ・半月くらいで辛くなって、言いわけを考え始める。
  • ・どうしても写真を手がかりに相手のことを推察してしまうけど、前回も前々回も一定のルールに従っただけなので、撮りたいものを撮ったわけじゃなかった(しまった!)
  • ・相手がこれまでのワークショップで撮ったものを追いかけていくうちに、それが好きになってきてしまった。
  • ・(追いかけられてみて)同好の士ができたとは思うけど、なりきられてる感じはしない。

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  • ・前回、同じ時間に撮った写真を思い出すことで、その人の生活を真似し始める。
  • ・いつもはエビスを飲むんだけど、彼の真似をしてキリン端麗を買ってみた。
  • ・相手の写真の中には結構植物があったけど、うちには花を飾る花瓶もないし。
  • ・ついに出た「おまえはおれか」発言!
  • ・相手のことを考え続けた結果、上記のような発言が出たのかもしれないけど、じつはふたりともただののんべえなんじゃない?
  • ・酒に寄り添ってわかりあったふたり。

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  • ・美味しそうな食べものも前述のお酒のような意味合いを持つかも。
  • ・(相手の撮った写真を見て)「みんながいうほど遠くない、彼女がいうほど近くない」
  • ・「相手が写真を撮る時の視点を得た!」と思えた瞬間があった。
  • ・なりきることと手法を真似るのはちがう。自分は取らないけど自分が撮ったようだ、ていうのがひとつのゴールかも。
  • ・どこかで、自分がそうと思う「写真の良さ」をいれてしまう。
  • ・相手の目線を会得しちゃったら、もはや構図を真似する必要がない。
  • ・真剣に取り組んだ結果、他のひとの文脈に完璧に寄り添った写真が撮れるようになった(この感覚は全会一致!)。

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  • ・相手はどんな人なのか、かんがえすぎてこじれた。
  • ・相手でもなく、自分でもない「誰でもないしゃしん」になってる。
  • ・確かにそうだ、と会場のみんなが思ってしまう不思議。

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  • ・誰しも撮ってしまうような「面白い写真」は、こういう時逆にノイズになる。
  • ・「カメラはわたしじゃない」(!)。じゃあ、いったいなんなんでしょう?

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「好きでもないものをしつこく撮り続ける」「ただ決まった時間に写真を撮り続ける」と、さまざまな制約を課し、徹底的に「自分」から離れることで、「写真とはなにか?」「写真にはなにが現れるのか?」二ヶ月をかけて真剣に考えた今回のワークショップ、参加者のみなさんは「すごい写真」が撮れるようになったのでしょうか? …いや、そもそも「すごい」ってなんだろう? 少なくとも、写真との関わり方がこれまでとまったく変わったのではないでしょうか。同じ経験をしても、たどり着いた先は全然違うもののような気がする。ほんとうにエキサイティングなワークショップでした。

(ライブレポート・アオキエリ / EXHIVISION