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ハドソン高橋名人がキレた!? MS執行役は大爆笑! 最高におばかでムダに格好いい「おばかアプリ」が一同集結。その頂点を決める「おばかWindows 7アプリ選手権決勝戦」ライブレポート(10.7/10)

2010年07月18日

 おばかなアイディアとテクノロジーにて生み出された「おばかアプリ」を競い合う、@IT主催の「おばかアプリ選手権」も、早くも4回目となりました。今回は、Windows 7の機能を生かしたアプリという条件を加えた「おばかWindows 7アプリ選手権」を開催。3か月にわたる選考期間を経て、激戦を勝ち抜いた7部門8アプリがお台場に集結し、決勝戦が行われました。

 賞金は、優秀賞を獲得した7チームすべてに5万円+α、そして優勝すればさらに賞金10万円+αという太っ腹ぶり。審査員もハドソン高橋名人(!)、マイクロソフト執行役・大場章弘氏、マイクロソフトエバンジェリスト・岩田雅樹氏、デジタルアドバンテージ @IT Insider.NETフォーラム編集長・一色政彦氏、クスール取締役・松村慎氏と、超豪華な面々が勢ぞろいしました。

 笑いありツッコミあり、ムダに豪華な「おばかWindows 7アプリ選手権決勝戦」レポートをどうぞ。

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お酒で陽気な高橋名人。「今は13連射くらい」「毛利名人とは連絡がつかない」なんて暴露話も

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まずは軽くジョブ。司会の一人・AR三兄弟の川田十夢さんらが「スプーン曲げ」アプリを披露

■いきなり作者不在。ゆる~いプレゼンと夢のあるAR技術

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受賞作品:まほーのホワイトボード
投稿者:サークル「ドリガミ」  ヒノ
受賞部門:「AR:緊急"拡張現実"室」部門
主な技術:AR(Augmented Reality)技術

 ホワイトボードに描いたキャラクターがにょきにょきっと飛び出し、「あはははは」「オラオラー」「ぶりりーん」と辺りを駆け回るという、夢と見まごうような光景を創りだした「まほーのホワイトボード」。嘘じゃありません。マジックで書いたキャラクターが立体化し、まるで生きているかのようにそこら中を動き回るのです。このアプリを通せば、キャラクターが漫画を飛び出して動き回ったりするのでしょうか。

 これらを実現させたのは、Augmented Reality(以下AR)と呼ばれる技術。「拡張現実」とも称され、現実の空間にタグ(エアタグ)を付けるiPhone向けアプリ「セカイカメラ」などが有名です。高さ80mもある実物大エヴァ初号機in箱根が実現できたのも、ARあってのもの。

 マカオにナニを切りに行くとかなんとかで、いきなり作者不在という、ある意味「おばかアプリ選手権」っぽいスタートとなった初プレゼン。「ARやるやつみんな友達」とばかりに、ARユニット「AR三兄弟」メンバーが代わりに紹介しましたが、用意されたプレゼン資料のあまりの緩さに、素晴らしい技術が埋もれてしまうという悪循環に陥りましたとさ(良い意味で)。

高橋名人「アプリ的にものすごい面白いと思う。技術的に凄いし。でも(プレゼンで)無理やりおばかにしてません? せっかくなのにもったいないなあ。」

MS岩田氏「素晴らしいことをやっている。動きも滑らかで感動しました。」

■MS社内でも議論!? ジャンプしないジャンプリストにもの申す

Dsc_6739受賞作品:JumpJumpList
投稿者:大阪電気通信大学大学院総合情報学研究科 津守優
受賞部門:「な、なんかキャッチーなデスクトップ」部門
主な技術:ジャンプリスト、スナップ、Aeroプレビュー、Aeroシェイクなど

 「ジャンプリスト」がびょーんとジャンプ! 「ジャンプリスト」とは、Windows 7で新たに実装された、頻繁に使うアプリやWebサイトに素早くアクセスできる便利機能のこと。この機能に「ジャンプしてないじゃないか!」「日本的じゃない!」とキレた(!?)大学生、大学院生の2人が作ったアプリが「JumpJumpList」です。タスクバーから顔を出したジャンプリストが、自由を求めるかのように飛び出し、びょんびょんと飛び跳ねます。発進位置は上下左右どこからでもOKです。

 2人によると、「物理演算ぽい計算をしているので、わりとリアル感があり、ウィンドウ内を這い回ってくれます」とのこと。ウィンドウの高さや大きさによって動きが異なるなど、細かい部分にもこだわりが感じられる、シンプルながらも丁寧な作り込みと、ジャンプリストをジャンプさせるという素直な発想に、MS大場氏もほっこりです顔。

MS大場氏「そもそもジャンプリストはジャンプしてないじゃん! というのは社内でも議論になっていまして。まさにコレだなと。」

 ちなみに、募集開始からわずか2日後に届いた「初投稿」作品にして、優秀賞を受賞した記念すべきアプリでした。

■赤上げて♪ 白下げないで、赤下げない♪

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受賞作品:SOUL FLAGS!
投稿者:DNPデジタルコム・吉川浩太、大日本印刷・音無知穂
受賞部門:「お・ね・が・い、マルチ、タッチ、ここにタッチ♪」部門
主な技術:Windows タッチ、Silverlight 3

 最新技術で普通すぎるゲーム。これぞおばかの神髄であります。「SOUL FLAGS!」は、Windows 7のマルチタッチ(Windows タッチ)機能を生かした旗揚げゲーム。長らく1本の指のみしか認識しなかったWindowsのタッチ認識ですが、Windows 7では複数の指に対応し、二本の指で画面拡大なんてこともできるようになりました。

 キャラクターや音楽、動作ともにファンクでクールで、「ムダに格好いい」という表現がピッタリのアプリ。松村氏が実際に体験したところ……、

松村氏「楽しいんですけど、おっちゃんの顔がむかつきましたね。」

 指紋を気にしたら負けです。 

■絶妙な動き、絶妙なしゃべり。会場中が「秘書」にどハマり!

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受賞作品:私はあなたの秘書です
投稿者:RVMX 宮内清則
受賞部門:「ムダにかっこいい、3Dアプリ」部門
主な技術:WPF(Windows Presentation Foundation)の3D、音声認識

 走ってそうで走っていない、パンツが見えそうで見えないといった、「秘書」の微妙な挙動が大受け。本日一番の話題をさらったアプリが「私はあなたの秘書です」でした。

 タスクバーをウロウロ歩く秘書にマイク越しで質問をすると、株価や天気、フライト時間を調べ返答してくれます。これだけだと普通にありそうですが、秘書の返答はインターネットからリアルタイムで取得しているため、情報は常に最新。そして、秘書の外観や性格が自分好みにカスタマイズ可能なところがポイントです。

宮内氏「東京都 明日の天気は?」
秘書「曇りのち雨ですーー」
宮内氏「スカートを変えて」
秘書「……(無言で変更)」

 セクハラすれすれの要望にも応じてくれる秘書。外見や性格を「太め、乱暴」にすることも可能なフリーダムさも相まって、審査員も客席も、司会者すらも釘付けに。デスクトップをカクンカクンと動き回り、微妙なイントネーションで返答する秘書は、その場のアイドルと化しました。

 イベントのために、愛媛県からいらしてくださった宮内さん。日本語での音声認識に苦言を呈すると、MS大場氏は苦笑しつつも、「今できないだけですよね」と問われると、「そうですね」と返答していました。次期Windows OSでは、日本語での音声入力機能が向上しているかもしれませんよ!

MS大場氏「弊社でも冴子先生だとか、イルカですとか、秘書的な取り組みをしたのですがうまく行きませんで。そういう意味では、弊社のテクノロジーを越えた! 素晴らしい!」

一色氏「WPFとは、Windowsのインターフェースを作る最新の技術。普通はアプリケーションを作るものなのですが、今回は人物を作るという。斬新でした。」

■あの子の気持ちを盗み見! メール中の気持ちスキャン

 「いやー、仕事でも使えて、モテモテになりましたよ」部門は、同点により2作品が優秀賞に選ばれました。まずは「OKサイン」から。

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受賞作品:OKサイン
投稿者:SIGFP(シグマコンサルティングとGFPの連合ユニット)
受賞部門「いやー、仕事でも使えて、モテモテになりましたよ」 部門
主な技術:Windows Azure、センサーAPIなど

 「YESNOまくら」臭を感じたアナタ、間違っていませんよ。「OKサイン」は、メールを書いている最中の、可愛いあのコの脳波を測定し、送り手のことをどう思っているのか知ってしまおうという「中2病」的なアプリです。使用者にかなり優しくできており、メール一通で「同棲」をオススメされることも。実際に、キレイなお姉さんが高橋名人、MS大場氏、松村氏宛てに書いたメールを開いてみると、それぞれに「結構イケテル!」「脈ない……orz」「祝!同棲生活!!」との結果が提示されました。「祝・同棲生活」の松村氏は、「会ったばかりなのに」とやや困惑気味。

 アプリの仕組みは高度にして最先端。メール作成中の脳波データを、NeuroSkyの脳波センサー付きヘッドフォンではかり。センサーAPIでデータ収集。それをhttpでクラウド(Windows Azure)に送信し保管。そのデータが気持ちを届けてくれるというもの。おばかなのにMSイチ押しの最新テクノロジーを活用しまくっており、MS大場氏が「我が社一押しの機能をこんな風に活用したのか……」と言わんばかりに頭を抱える場面も見られました。

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「アチャー」と頭を抱えるMS大場氏

MS大場氏「技術的にはイチ押しのクラウドでありますWindows Azure。あとUX(ユーザー エクスペリエンス)ですね。アイコンや表現も素晴らしいアプリケーションでした。」

 モットーはオフィスアプリ「おバ化」。なお橋本氏は、第2回おばかアプリ選手権にて、エレキギターでPC操作や文字入力を行う「Rock’n Office」を披露した経験を持つ「おばかアプラー」。今回は音の鳴る方のキーボードとともに登壇し、「音でメニュー表示」などの小ネタを挟んでいました。

■前回覇者は「Wiiボード+風呂イス+FF5」で勝負!

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受賞作品:2次元ダイエットいす(仮)を作ってみた
投稿者:チームラボ 山本遼
受賞部門「いやー、仕事でも使えて、モテモテになりましたよ」 部門
主な技術:デスクトップガジェット、PHPなど

 「体重はかりたい気持ちにさせない体重計に絶望した!」と、体重計への逆ギレから生まれたアプリは、前回の覇者であるチーム★ラボが製作したもの。意識せずとも毎日体重を計れるよう、オフィスのイスを体重計とし、デスクトップガジェットをPCに仕込むことで、あとはパッと両足を上げるだけで測定できるようにした、最強のナマケアプリです。

 イスはWiiボードと風呂イスで作成。評価は「最近太った?」「最近痩せた?」という、ライトな会話感覚の相対値でお知らせ。さらに目標達成には喜びが必要と、ある程度まで減量できた時には、数GBもあるFINAL FANTASY Vの映像を流すといったムダ……もとい、個性的な工夫が施されています。

 「毎日計るのは大変」という山本氏の、そもそもの心構えに厳しい声も飛びましたが、おばかアプリなので良いのです。

松村氏「おばかというよりは日常的に使えるところがいいなと思いました。ただちょっと……ユーザーに対して緩すぎる設定が許せるかどうか。」

大場氏「いいアイディアだと思う。毎日の体重をクラウドに保存すると、奥さんや田舎のお母さんが、常にクラウドから最新の体重を見ることができるので、いろいろなアドバイスを貰えると思う。」

 ちなみに前回優勝した際のアプリは、Webブラウザでコーヒーの残量確認ができる「らぼかへ」と、トイレットペーパーを引き出す際の回転数を認識、それに応じた映像を出す「アクトトイレ」でした。うーん、おばか!

■なんと2部門受賞! 高橋名人とシュウォッチ対決も

 オチはこの2人にまかせて良かったのでしょうか。なんと2部門を受賞した「おばかアプラー」にして、イラッとさせる達人が最後を締めくくります。

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受賞作品:眠気ゲキタイマーYX
投稿者:雑魚と雑魚(平野真章、栗原芳己)
受賞部門:「連射! 連射!! 連射でGO!!!」部門
主な技術:WPF、C#など

 まずは「眠気ゲキタイマーYX」。面白法人カヤックが開発した貧乏揺すり計測装置「ユレックス」を活用した目覚ましアプリで、あらかじめ設定した数だけ「ユレックス」を揺すれば、目覚まし時計が止まるという、ごくシンプルな作品です。ええ、これだけです。持ち時間10分が3分もかからず終わってしまったため、残りの時間は高橋名人との「シュウォッチ」対決となりました。「シュウォッチ」の連射で生まれる振動を「ユレックス」で計り、早く目覚ましを止められた方が勝ちというこの勝負、もちろん高橋名人の勝利!

高橋名人「良いと思うけど、使うかなあ……」

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受賞作品:寺べっぴんDX
投稿者:雑魚と雑魚(平野真章、栗原芳己)
受賞部門:「イエッサー! センサーで参戦さー」部門
主な技術:WPF、C#など

 「OKサイン」でも登場した、NeuroSkyの脳波センサー「MindSet」を用いた、集中力を鍛える座禅トレーニングアプリが「寺べっぴんDX」です。ネーミングについてはスルー。集中を続けると、大仏の映像がセーラー服姿の女の子に代わり、さらに心乱さないでいられればクリアとなります。実際に体験したMS大場氏、高橋名人とも見事にクリアしていました。

 アプリ以上に作り込まれていたのが、プレゼン動画やアプリ起動画面、クリア後の映像です。(C級)映画さながらの演出たっぷりで……、たっぷりすぎてクドさ全開。登壇者の濃すぎるキャラクターも相まって、アプリよりも演出が悪目立ちしてしまいました。

高橋名人「この部門って、これしかなかったの?」

 以上、7部門8アプリのプレゼンが終わり、結果集計へ。なお、すべてのプレゼンを追えた審査員のコメントは、概ね高評価でした。

高橋名人「プレゼンはバカだったけど、実は凄い技術ばかり。マイクロソフトに何作品か採用して欲しい。」

MS岩田氏「非常に短い期間で、新しい技術を使ってアプリケーションを作り上げる姿に感動しました。」

松村氏「今回はバカというより、個人的なコンプレックスが現れまくっている作品ばっかりだった。痩せたい、モテたい、秘書だとか(笑)。今後コンプレックスを解消するアプリが増えると面白いかも。」

一色氏「実用的なものがあったり、なかったり(笑)。技術的にもおばかなものもあって面白かった。」

MS大場氏「Windows 7の上で作ったものが、パソコンから出て行ったり入っていったり。クラウドに繋がって、田舎のお母さんを安心させたりですとか。広がりがあったなと思っています。見させていただいたものは、今後MSの新しい製品に入ってくる可能性があると感じました。来週から本社に出張なので、いくつかビデオを持って行きます。」

■大接戦!優勝したのはこの「おばかアプリ」

 投票はまっぷたつに意見が割れ、「OKサイン」と「私はあなたの秘書です」の一騎打ちになりました。結果、客席43票、審査員3票獲得により、「OKサイン」が最優秀賞を受賞。客席38票、審査員2票を獲得した「私はあなたの秘書です」を、超接戦ののち降しました。
 「OKサイン」の2人も、「私はあなたの秘書です」が選ばれると思っていた様子で、以下のようにコメントしていました。

「笑いの量から言えば恐縮です。イベントに出られるだけで大満足だったのに……。」
「『秘書』が絶対取ると思っていたのでビックリです。」

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 最後にXbox360争奪じゃんけん大会でイベント終了。壇上でお酒を飲みまくり、辛口発言を連発していた高橋名人は、その後の懇親会でさらなる飛躍を見せたとか見せなかったとか。

 回を重ねるごとに技術的向上が著しい「おばかアプリ選手権」。次回もおばかだけど凄いアプリをお待ちしております!

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審査員全員のサイン入りトロフィー。ずっしり重い。

ライター:鶴ひより