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アツい社長の超伝説文具メーカー“コーリン”怒濤の日本再上陸物語!色芯の作り方も実演して見せちゃいました!『コーリンナイト2010@七夕』(10.7/7開催)

2010年08月04日

知るひとぞ知る、文具メーカー「コーリン」とは、大正20年に日本で誕生したブランド。三菱、トンボと並ぶ「鉛筆御三家」として、その三角のトレードマークは広く知られていました。

そんなコーリンも、時代の移り変わりとともに一時倒産、しかし2010年、その工場はタイで健在? そして社長はなにやらパワフルな日本人??

そんな謎を一気に解明する、コーリンナイト。コーリンのファン、文具マニアが一同に会した七夕のアツい一夜でした。

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なぜ、コーリンはいま、タイにあるのか?

前半は、文具王高畑正幸さん、そして井口社長の片腕、コーリン色鉛筆唯一の日本の社員"亀園文具子"さんによる冷静なつっこみをはさみながらの社長のアツいトークから始まりました。

「株式会社コーリン色鉛筆」社長の井口英明がタイに興味を持ったのは、いまから約25年前。大学で環境経済学を学び、「これからタイはイケイケゴーゴーだ!」と教えられた社長、たまたま、タイ工場の求人を出していたコーリン鉛筆に入社します。そう、鉛筆はどっちでもよく、タイに行きたかった!それがコーリンと井口社長との出会いなのです。

そんな井口社長ですが、もともとアツいハートとパワフルな行動力の持ち主。機械好きだったこともあり、鉛筆の製造過程に携わって、言葉の通じないタイで、四苦八苦しながらももりもりと仕事してきました。
そして1997年に突然の「コーリン鉛筆株式会社」の倒産。はじめは興味なかったはずの鉛筆ですが、ここで社長、「タイ工場は俺が守る!」と決意してしまいます。

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「倒産は2,3日前に知らされ、日本に戻ってみたらなにもありませんでした」

クオリティの高い色芯などを生産していた日本のコーリンの拠点がなくなったあとはコストダウンを余儀なくされ、東南アジア向けのラインを生産することに。
しかし、日本向けの日本で認められる質のよい鉛筆を作りたいという想いから、墨田区の色芯工場に協力してもらい、7年がかりでやっと完成させたのが、現在日本で発売されている復刻ラインなのです。

日本再上陸は、偶然の積み重ね!

さてそんな「アツいハートとど根性」の感じられる、「コーリン日本再上陸までの道のり」ですが、ここからがおもしろかった!

鉛筆生産のための資金作りとして、なぜか副業でワニの養殖(!)をしようとしていた井口社長。しかしその目論見はあえなく失敗、しょうがなく、「毎日ワニに鼻緒をつけて散歩している」なんていう冗談にしてふれまわっていたら、それをかぎつけた読売新聞から取材が(!)。当然「ワニに鼻緒」は嘘だったので、ワニでつって鉛筆の話ばかりしていたところ、「コーリンがタイで復活」という記事になりました。

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嘘みたいな話ですが本当のようです。これがその記事。

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そしてここでも井口社長、特に目処が立っていなかった日本再上陸を
「年内に」なんて話してしまい、そのまま新聞に載っていました。

ちょうど記事が載ったとき、開かれていたのがISOT、文具&紙製品の国際見本市。ここで、社長は偶然、ものすごいコーリン鉛筆マニアの女性に出会います。
ん、女性?そう、それがほかでもない文具子さんなのです!

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「既に車1台買えるほど、コーリン鉛筆につぎこんでます!」

ISOTで社長に会い、日本で復活する(かも)という話を聞いた文具子さん、その場で「日本スタッフやります!」と宣言し、今に至っています。もはや宿命としか思えない出会い。

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社長よりもコーリンに詳しい文具子さん。
紹介された、コーリンの貴重なコレクションはすべて文具子さんのもの。

干し芋で知ったtwitterのポテンシャル

無事、日本発売にこぎつけたコーリンですが、「なつかしい」という反応から一巡すると、売れなくなってきたといいます。そして宣伝費もない。そこで、社長は「どうせ売れないなら楽しくやろう!」「鉛筆が売れないなら他のもので稼ごう!」という方針(?)を打ち出します。

一方、そんな社長を尻目に、日本唯一のスタッフとして、コーリン写真集を出版したり、ギャラリーを借りてコーリン鉛筆展を開いたりしていた文具子さん。ただし、すべて自費で。
宣伝のため、話題になりはじめたtwitterの公式アカウント(@colleen_pencil)も社長にはだまって取得しました。

しかし、「商売は足で稼いでなんぼ」という考え方だった社長はtwitterに否定的。
そこに飛んできたのは、社長からの「干し芋を売れ」という指令でした。「なぜ?干し芋?」と思いながらも、twitterタイムセールを行ったところ、干し芋がバカ売れ!!
ここでポテンシャルを知った社長、自分のアカウント(@collen_factory)を取得し、文具子さんへの業務連絡もtwitterで行うように。このおふたりのかけあいがとてもおもしろいと、twitterでも話題になりました。それが、きょうのイベント開催にもつながっているのですね。

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コーリン色鉛筆のマークが干し芋に。これも嘘みたいな話ですが本当です。

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twitterでのお二人の勢いは、そのまま今日のステージでも炸裂し、
司会の文具王さんもたじたじ。「あの…、そろそろ、色芯の話を…」

文具子直伝 色鉛筆の選び方

ここで鉛筆マニアである文具子さんから、「正しい色鉛筆の選び方」講座が。それによれば、

1.まずは赤鉛筆を買って、ノリをみる。
「かさねぬりができるかどうかが重要です」

2.つぎに、うすむらさきを買って、技術を見る。
「青と白の粒子がきちんと混ざっているかをみます」

3.さいごに、金銀を買って、情熱を見る。
「金色は、コストを下げて作ってしまうと、黄土色みたいな色になります」

そして、それらの基準を最も満たすのが、墨田の「師匠」とともに色芯にこだわりを持って作られている、復刻版コーリンの色鉛筆。特にコーリンの金銀には、本物の金属が含まれていて素晴らしい発色なのです。

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コーリンの金銀はすごい!
文具子「金だけバラで買われると、赤字です」
社長「それだけはやめて!!!」

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さっそく、休憩時間には「金銀入り」の24色セットを買い求めるひとが続出!

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4H~5Bまでの美しい復刻ハイピアスセットや

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社長が趣味の木工で全部手作りするチーク材商品もオススメです!

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そしてここでも、自ら物販に精を出す社長。

お買い求めは公式サイトからぜひどうぞ。


色芯をつくろう!

さてすっかり前半で盛り上がってしまいましたが本日の目玉は「コーリン自慢の色芯をその場で作っちゃおう!」というワークショップです。すると…

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いきなり機械に乗って登場した社長! その機械は一体!

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正解は、「コーリン混ねり号」。

世界唯一(ギネス申請中)の自走式色芯製造機械ですが、特に自走する必要はありません。…。色芯のもとを入れて、まんべんなく混ぜ合わせるためにつかいます。

まずはその色芯のもとの作り方から。

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墨田の色芯工場の「師匠」にもらった、「絶対教えられないレシピ」を見ながら
調合作業をする社長。ただし、このあと「だいたいでいいや!」てなります。

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まずはワックスを調合し、火にかけて溶かします。

つづいて、タルク(校庭に白線ひくときのアレ)に顔料と「師匠」秘伝の「ぜったいに教えちゃいけないもの」をいれ、よく混ぜます。
ワックスも入れて、弱火でさらに混ぜると…

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だんだん色が出てきた!きょう作るのは、すてきな黄緑色です。
「抹茶和三盆みたいですね」
「こんな感じでいいんですか?」
「いや、ちょっと分量間違えましたね!」

分量を間違えたり、ワックスを足そうとして盛大にぶちまけてしまったり、いろんなハプニングをはさみながらの楽しい芯作り。実際の工場、特にタイでは、失敗の連続だという社長。
「工場はもっとひどくて、毎日、ジコが起きてます!」

さて黄緑色が和三盆から無事抹茶ムースになってきたところで、この芯を先ほどの混ねり号に投入します。

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ここでもやっぱり、走り出す社長。
そんなことをしてるもんだから、カルカルの床が一部黄緑色になるハプニング。

工場ではこの何十倍もの大きさで、何十回もねりを重ねますが、今回はテスト用の手動式。数回ねりを施したところで次の工程にうつりましょう。

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穴の空いた筒に芯をつめて

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3トンの油圧機で射出。すると…

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出てきたー!黄緑色の芯!

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とどまるところを知らない芯の勢い。
文具王さんが持ってるところまでつながっています。

工場ではこれを鉛筆の長さにあわせて切り、5日間、50~60℃の高温で乾燥させると完成です。いやー、色鉛筆の作り方、はじめて知りました!

今後のコーリンは

最初から最後まで盛り上がったコーリンナイト。

社長も、そしてコーリン大好きの文具子さんもBIGマウスで、できそうにないことでもうけて、そしてなんとかそれをこなしていった結果、どんどん技術があがっていったといいます。

まずは画材店に、そして"大人のための文具"としてセレクトショップに、さらには「色芯ワークショップ」を通して全国の小学校に、と今後の展望を語ってくれた文具子さん。
そして「コーリンのNo.770にちなんで、770色の色鉛筆を出したい」とまたとんでもない目標を掲げる社長。

おふたりなら、近い将来できてしまうかもな、と感じる、七夕の夜でした。

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