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真っ昼間から大宴会! うまい酒にうまいアテ、それだけでみんなはニッコニコ! 『日本酒に合う缶詰バイキング ~メーカー9社の缶詰と5蔵元の日本酒が勢ぞろい!~』ライブレポート(10.8/7開催)

2010年08月11日

太陽がジリジリと照りつける8月7日の正午、「日本酒に合う缶詰バイキング ~メーカー9社の缶詰と5蔵元の日本酒が勢ぞろい!~」というイベントが開催された。「缶詰で日本酒? そんな貧乏な……。」なんて認識は大間違い! もし家庭で日本酒をたしなむなら、下手な料理をつまむよりはお気に入りの缶詰をアテにする。「今日は珍しい缶詰が手に入ったんだ」と言って棚から秘蔵の缶詰が出てくる。そんな時代が来るのではないかと感じさせる実に画期的なイベントだった。

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会場直後、すでに缶詰はズラリと並んでおり、辺りには種々の缶詰の匂いが立ち込めていた。

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これも缶詰?! と驚くほど美味しそうな見た目、そして匂い。

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日本酒もズラリ。

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一つの蔵から何種類も。缶詰の匂いの影響でヨダレが止まらない。

イベントとして、12時開場の13時開始という名目のイベントであったが、バイキングというだけあって、開場直後から試食&試飲大会で大盛り上がり。

全国から缶詰が9種類、酒蔵が5蔵集まるというなんとも豪華なゲストに加えて、缶詰博士の黒川勇人さん、利き酒師で女優の福山亜弥さんが、それぞれの観点からオススメの組み合わせをマイクを使って紹介する効果もあってか、それぞれのコーナーにあっという間に人が集まっていた。

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福山亜弥さん(利き酒師・女優)。和服姿でご登場。

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黒川勇人さん(缶詰博士/「缶詰酒場」著者/「缶詰ブログ」管理人) 。こちらも和服姿。

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まだトークイベント開始前なのにこの盛況ぶり。みなさん本能の赴くままに楽しんでいます。

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しつこいようですが、まだ13時を回っていません。でもとっても楽しいんです!

缶詰を食べ、それにあう酒を求めてお酒コーナーへ行き、アテがなくなったらまた缶詰コーナーに行きと右往左往。日本酒はすっきりした味のものから舌にぐっと残る濃醇なものまであってそれだけでもおいしいし、バリエーション豊かな缶詰もやっぱりおいしい。ふたつの香りに誘われて、食もお酒もススム、ススム。どちらか一方が主役にならず、両方が主役としてお互いを引き立てながら口の中に溶けこんでいく。色々な種類の組み合わせを試すほど、もう発見の連続で、それが楽しくて仕方ない。

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筆者が一番最初に盛った缶詰のお皿。上から時計回りに木の屋水産の鯨の大和煮、ノザキの脂肪分控えめコンビーフ、木の屋水産のカレイの縁側、サンライズのさとりの肉じゃが、そして「ツナ缶のパイオニア」こと清水食品のおつまみツナが2種類(大人の辛口とピリ辛ツナ)。それぞれお酒と合わせてペロリといただきました。

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福山さんおすすめしていた組み合わせのひとつはこちらの京都・木下酒造のぬる燗(両端にある山廃純米酒と特別純米酒)と、上の写真にもあった木の屋水産の鯨肉。濃厚な日本酒は鯨のような肉料理と相性が良いのです。

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群馬・永井酒造の川島さんによる日本酒シャンパンのふるまいも。大行列が出来ていました。

そんなこんなで、やっとトークショー開始。

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「みなさん、まだ13時ですよ?」で始まった第一部・日本酒蔵元の紹介。すでに進行の方もほろ酔いです。

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群馬・永井酒造の川島さん。先ほどのシャンパンは世界で初の製法だそう。

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長野・佐久の花酒造 臼田さん。 売れ筋の香りの高いお酒から、芯の強い日本酒まであります。ラベルに大きく書かれた「花」の文字が印象的。

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青森・八戸酒造 駒井さん。 ラベルにイカ漁の漁火をあしらったその名も「陸奥八仙 ISARIBI」はその界隈では有名。

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京都・玉川酒造木下さん。杜氏がイギリス人のフィリップ・パーカーさんとのことで、会場からは「へぇー」と感嘆の声も。

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福島・曙酒造鈴木さん。夢のリゾート・イクスピアリで試飲会もおこなったことがあるそう。ブログは愛犬・リリーちゃんが更新中!

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本日の蔵元さんをコーディネートした酒屋「酒の秋山」の秋山さん。 会場中を動きに動いておりました。

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しばし休憩。と言っても、トーク中も休憩中も人だかりは常に消えません。

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お酒がどんどん飲まれていきます。

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缶もどんどんと空いていきます。

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燗をつける木下酒造の木下さん。恰好いいです。

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気づくと始まっていた第二部は、黒川さんによる缶詰の紹介。なぜか二人だけ立ち上がっています。

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黒川さんの直筆(と思われる)「詳細な地図」も登場。こちらは「K&K国分の缶つまプレミアムシリーズのオイルサーディンのオイルはギリシャから持ってきているんだ!」という壮大なおはなし。

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お酒に集中している方も……。

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会場のおみやげに入っていたかも知れないという千葉産直サービス「とろさば煮」。あたった方はうらやましい! 貴重です。

ここで少し筆者の独断によるお気に入り缶詰パッケージの紹介を。

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木の家石巻水産・鯨肉の缶詰。製造している木の家石巻水産は50年間この商品を造り続けているそう。復刻したというパッケージがキュート。濃いタイプの日本酒と相性バツグン!

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中に肉じゃがや豚角煮が入っているという衝撃の缶詰、サンライズの湯島旬膳さとり。居酒屋の外注部門ということで開発したそうで、缶詰とは信じられないくらいウマい。缶詰の味を引き立てるすっきりとしたタイプの日本酒でチビチビとやりたいところ。

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そしてこれが一番のオススメ、いわずと知れたホテイフーズの「やきとり」。しかしなかなかお目にかかれない柚子胡椒バージョン(しかもこんなにたくさん!)。柚子胡椒の本場、九州人が納得する味をしっかり追究したそう。お酒との組み合わせでおいしかったのは、長野・佐久の花酒造の「山田錦純米 熊本酵母無ろ過原酒」。しっかりとしたその味がピリリとする味付けにも負けていませんでした。

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トークの最後はマルハニチロの田中さんを呼びこんで、なぜか壇上総立ちの紹介で締め。ちなみに田中さんは今回、ほぼ北海道限定の「鮭筍味付」を持ってきて下さいました(記事の2枚目の写真参照)。脂ぷりっぷりの鮭のウマ味が筍に染み込んで、口に入れた途端、ほっぺたがポトリと落ちてしまいました。

トークが終了しても、楽しい時間はまだまだ続く。

気づけば蔵元さんも缶詰メーカーの人たちも、お互いのコーナーを行ったり来たり。缶詰と日本酒というジャンルの違いこそあれど、やはりおいしい「食」を目指すことには変わりはない。製造者がお客さんとなり、その製造者もまたお客さんになる。そこにはなんの肩書も関係ない。会場にいる全員がただ純粋に目の前の「食」を楽しんでいる空間があったのだ。

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日本酒の隣に缶詰の中身。これぞこの会の正しい姿! 写真にある八仙への黒川さんのおすすめは、高木商店の「さんまの水煮」。なるほど、さっぱりといただけました。

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マルハニチロの田中さんと福島・天明酒造の鈴木さん。まさにジャンルを越えた「出会い」だ。

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サンライズの田村さん(写真左)と割ヶ谷さん(写真右)。お二人ともにこの会を楽しんでいる様子が伝わってくると思います。

そして15時半。惜しまれつつも会はお開きに。12時からスタートしたと考えれば、その時間、3時間半! なにより時間が経つに連れ会場に笑顔が増えていくのが印象的だった。

「お酒の会はたくさんありますが、ほとんどは日本酒が中心になってしまいます。品評会なんか特にそう。でも自分が本当に好きな日本酒は、アテがあって初めて分かる。日本酒だけ比べてもわからないものなんです。自分の好きなアテを持ち歩きながらそれに合うお酒を探したほうがよっぽどいいんです。だから、今回はとてもいい会だと思いましたよ」

そう話すのは、木下酒造の木下さんだ。確かに、普段のお酒の楽しみ方を考えれば、お酒と一緒に必ずそこには食事がある。お酒があってのアテ、アテがあってのお酒。この会場の一体感は、そんな品評会みたいに変に肩を張ったりする必要がなかったからに違いない。お酒の楽しみ方はやはり、自分に正直でいいのだ。

そんなことを考えながらおみやげの缶詰を眺めていると、缶詰の味に合わせて日本酒の味も浮かんできた。「このいわしのオイルサーディンにはすっきりした酒がちょうどよかったな」「この鯨にはぬる燗が一番だったな」などという風に。そして缶詰と日本酒の知識が急速に増えた私は、次に立ち寄るスーパーの缶詰コーナーできっと目の色を変えているのだろう。

影響されやすい自分に少しだけ苦笑して、それでもはっきり言えるのは、この会がとても、とても楽しかったということだ。また次回があるといいなと思いつつ、帰りのバスに揺られながら浸った一缶一献の余韻は、目的地までぐっすりと眠り込むほどの安心感を私に与えてくれたのである。

(ライター・シュンスケ)