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醤油の蔵元はオールスターキャスト! 食品メーカーも参加でウマすぎる豪華版の『究極の利き醤油の会 vol.02 ~ほんとうに美味しい醤油を食べたことありますか?』ライブレポート(10.11/13開催)

2010年11月29日

 日本の食卓には欠かせない醤油。かと言って普段は「あればいいや」程度でおろそかにしがちな醤油。そんな醤油にスポットを当て大好評だった「ほんとうにおいしい醤油を味わえるイベント」がバージョンアップして帰ってきた!

 今回の目玉はなんと言っても6つの醤油蔵元が参加したこと。年に23回しか外に出ることがないという蔵元さんが一堂に会する希少さもさることながら、こんなに美味しい醤油をこんなにバリエーション豊かに取り揃える「究極の利き醤油の会」は、まさに「究極」という名に恥じていない。同じ蔵でも素材、造り方が違えば味もガラリと変わってくる。たかが醤油。されど醤油。同じ醤油でもここまで味が違うものかと痛感させられた今回のイベントは、食卓では脇役になっている醤油の存在感を、大きく変えてくれるものであった。

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会場に入るといきなりカウンターに並んだ醤油たちを発見。

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壇上にはヨード卵・光のマスコット「ひかりん」が。ひたすらに可愛さを放っていた。

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イベント自体が豪華なら、おみやげも豪華。写真一枚に入りきらない!

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こちらもおみやげのK&K「缶つまプレミアム」。テリー植田いわく「お好みの醤油を『ちょい足し』で」とのこと。

■イベントスタート! 前半は醤油職人たちの紹介。

 おみやげの内容に興奮していると、ついにイベントがスタート。「醤油職人.com」代表の高橋万太郎さんを案内役に、まずはこの日のために遠くからお越しいただいた醤油職人さんたちと食品メーカーさんの紹介から。小豆島から醤油ソムリエールの黒島慶子さんも解説役で呼びこんで、それぞれの醤油、食品の魅力を存分に語ってもらった。

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すでにタイトルには貫禄すら感じられた。

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全国のこだわり抜いた醤油が買える醤油職人.com代表の高橋万太郎さん

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小豆島からのゲスト登壇者、醤油ソムリエールの黒島慶子さん。後にオリーブオイルソムリエであることも発覚。

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実は醤油も特産である小豆島。写真にある「杉樽」を使うことで職人技が活かされやすい、とは黒島さんの談。この杉樽が多いのも小豆島の特徴だそう。

以下、それぞれの紹介場面をダイジェストでどうぞ!

■香川 ヤマロク醤油

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小豆島つながりで登場したヤマロク醤油の山本康夫さん。

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こちらは新たに購入した新樽の写真。新樽を新しく購入すること自体が、醤油業界では本当に珍しいとのこと。

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限定発売された再仕込み醤油の生醤油。生醤油とは、火入れ殺菌していないもののこと。「菌が生きているので浸け込んだ肉は柔らかくなる」という黒島さんの話は思わずメモ。会場で味わうことができた。

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こちらがその醤油。生醤油かそうでないかだけでも、香りが圧倒的に違った。「丹波黒豆醤油」は究極のたまげかけごはんにかける醤油として雑誌で紹介されたこともあるそう。ちなみに蔵見学は年中無休で、アポなしでもOKとのこと。

■兵庫 足立醸造

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兵庫県の足立醸造から足立達明さん。

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桶は年季の入った150年ものだそう。ウリは国産で有機栽培の素材を大切にした「再仕込み醤油」。

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「醸造」の名通り、麹造りに力を入れているのも大きな特徴。

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再仕込み醤油。口から鼻に広がる香りは想像以上に強くて高らか。

■岐阜 山川醸造

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岐阜県の山川醸造から山川晃生さん。

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たまり醤油が特徴。たまり醤油は仕込みに使う水がかき混ぜられないほど少ないので、石を乗せて搾り出す。さらにそれを石の上からかける「汲み掛け」を23年繰り返すことで、濃厚なたまり醤油が完成する。高橋さんいわく「煮物を濃口醤油ベースで作って、最後にちょっとだけたまり醤油を足すといい」。

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チャレンジする山川醸造は、「アイスクリームにかける醤油」に引き続き、「はちみつ醤油バター」なるものを発売。おみやげには顆粒状のたまり醤油(!)も。

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たまり醤油の「みのび」。一際濃厚さが目立っていた。

■ 栃木 ヨシコシ食品

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食品では、ひとつは豆腐のご提供。栃木県のヨシコシ食品より吉越さん。

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大豆は国産大豆のみ、にがりも国産の天然もの、消泡剤(製造過程で発生する泡を消すもの)を使用しないという確かな仕事ぶり。今回はこの豆腐に合わせる醤油を探す、というのも楽しみのひとつだった。

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カウンターに並んでいた「すくい豆腐」。ちなみに、工場は見学も可能。ただし、午後に行ってしまうとただ掃除をしているだけになるかもしれないとか。

■東京・群馬 岡直三郎商店

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東京都と群馬県の岡直三郎商店から野間皇徳さんと今野美紀子さん

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記録では1787年から創業しているという老舗中の老舗。木桶の数はなんと約100個。関東のため、濃口醤油が特徴だ。MY醤油のオーナーも募集中。ここらへんで、会場中が「木桶で醤油を造る」貴重さへの感覚はすでに麻痺。

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「日本一醤油」やその他の醤油たち。驚くのは同じ材料で造ったはずの「日本一醤油」の濃口醤油と再仕込み醤油の味の違い。再仕込み醤油は、本来麹に加える塩水の代わりに生の醤油を加えたもの。その手間によって、はっきりとわかるほどまろやかさとコクが加わっていた。

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そんな「日本一醤油」の味くらべなども楽しめる「醤油料理天忠」(町田)。写真右側にある名物「焦がし醤油フォンデュ」は垂涎必至。テレビでの紹介の実績もあり。

■埼玉 弓削田醤油

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埼玉県の弓削多醤油から中戸川貢さん。Vol.01から引き続いての登場。「普通なら木桶が自慢になるのにそれが全然自慢にならない。レベル高すぎ!」とあまりの豪華メンバーに困惑する中戸川さん。

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自然に作る醤油を目指すと、木桶や有機大豆の産地、桶の場所や気候によって、その時々で味がブレてしまうのは仕方がないことを説明。

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「安定した味の大手メーカーには化学調味料がある。美味しくはなるが、本当は、醤油は各蔵の味の違いを楽しんでほしい」と中戸川さんは話した。

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モンドセレクションで3年連続金賞受賞をしている「吟醸純生しょうゆ」。しぼり日もしっかりと刻印されている。

■奈良 片上醤油

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奈良県の片上醤油から片上浩之さん。

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木桶で造ることについて。「ブレて当たり前、違う商品で同じラベルを貼っている意識。これはネガティブなことではなく、ブレることに木桶の価値はある」と片上さんは話す。

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片上さんいわく「赤い醤油は健全な醤油。光にかざしてみればその醤油の美味しさがわかる」。

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麹造りに関して。「豆は100%の力を持っていて、やるべきことをやらない分だけきっちり点数が下がっていく。やるべきことをどれだけやり切れるかが蔵の値打ちではないか」と落ち着いて話す片上さんの醤油はどれも魅力的。

■日本農産工業株式会社 ヨード卵・光

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もうひとつの食品は、卵のご提供。日本農産工業株式会社より会場美代子さんと垣内啓子さん。

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いわずと知れたプレミアムエッグ「ヨード卵・光」の紹介。50億個という今までの総販売数は、横に並べると地球7週半にも達するそう。

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ヨード卵・光から作られた「スーパーリッチマヨネーズ」も登場。ヨード卵・光のパックの表にあるQRコードを読み取ると、どの農場、どの選別包装施設で生産されたかどうかがわかるようになっている。通常の卵に比べて3.5倍以上というくらい、コクが圧倒的に強いのが特徴だ。


■イベント最終盤、ついに利き醤油の開始!

 そうこうするうち、机にはごはん、ヨシコシ食品の豆腐、ヨード卵・光が並べられ、カウンターには蔵元さんがスタンバイを始めていた。イベントももう最終盤、待ちに待った利き醤油がいよいよ開始された。

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これが並んだ食品。豆腐は上から時計回りに湯葉、すくい豆腐、ざる豆腐。醤油を合わせる食品も最高峰と言っていいだろう。

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続々と並びだした醤油が入った容器。会場には醤油の匂いが充満し始めていた。

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蔵元さんから直接説明を受けながら醤油を味わう。

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さながら醤油バイキングと言った様相で、見て嗅いて舌で吟味して、楽しみ方は人それぞれ。

 筆者も早速カウンターから醤油を数種類持ち帰って楽しんだ。

 キメの細かい豆腐や歯ごたえたっぷりの湯葉に香り高い醤油が合うこと合うこと。様々な醤油と豆腐を合わせながら、あっという間に豆腐と醤油がなくなっていく。しかし、そこで机の上に並んだご飯と卵を見つめながらあることに気づいた。

 そこには「たまごかけごはんに醤油をかける機会は一度きりしかない」という問題があったのだ。最高の醤油と最高の卵が揃っているなら、自分の中で一番ウマいと思えるたまごかけごはんを作りたい。

 カウンターに戻って吟味に吟味を重ねた結果、筆者が選んだのは片上醤油の「天然醸造醤油」だった。片上さんがトークの中で「これがアカンかったらウチがなにやってもダメです」と話したくらい片山醤油にとっては基本である濃口醤油。生粋の東京人である筆者が普段慣れ親しんでいる濃口醤油の中でも、コクや香りが一番気に入ったものだ。

 ご飯に醤油をかけ、さらに卵を上から乗せて一気にかき混ぜる。きれいな黄金色が全体に広がったところで口にズズズと流し込むと、卵のまったりとろりとしながらしっかりとした黄身の味に、鼻に抜ける豊かな醤油の風味と塩辛さが混ざり合って動かす手が止まらない。気づけばあっという間に容器は空っぽ。ものの数秒の出来事だった。

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山本さんの教えに従い、先にご飯に醤油をかけた。

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こちらが混ぜた状態。写真が少し暗くて分かりづらいが、ヨード卵・光の黄金色は、ご飯と醤油と混ぜられることで、見るだけで涎が出てくるほど鮮やかに魅力的に輝いていた。

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その後、時間終了まで目一杯醤油を味わった。

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黒島慶子さん持参の搾りたて(左)とトルコ(右)のオリーブオイルも味わえた。まだ若いので実のフレッシュな匂いが残っている珍しい物。

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弓削田醤油の中戸川さんはTシャツも販売。弓削田ファンなら 1000円は安いはず。

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帰りにはヨシコシ食品からお豆腐のおみやげも。入っていたパンプキン豆腐はもはやプリンのようで、デザートとして美味しくいただいた。

 イベントを振り返ったときの第一の感想は、はっきり言って「贅沢」。こんなに醤油のことだけを考え、こんなに醤油を飲みまくった経験は、後にも先にも今回が初めてだ。豆腐も卵も素晴らしいものだったし、なによりオールスターと言ってもいいほど数ある醤油のそのどれもがウマかった。あまりのウマさにどんどん飲んでしまって頭がクラクラとしていたのは、きっと筆者だけではなかったはずだ。味わう時間が全然足りないと思われるくらいのエンディングの盛り上がりは、「究極の利き醤油の会」のクオリティと、参加者の関心の高さを物語っているだろう。

 果たして次回はどんな醤油の世界を見せてくれるのだろうか。おみやげに貰った醤油をふたたび自宅で飲みくらべながら、Vol.3の開催をいまから楽しみに待ちたいと思う。

(ライター・シュンスケ)