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『鉄な位置ゲートークバトル ~乗り鉄の新たな楽しみ~』ライブレポート:中の人も登場!電車移動が大好きな人達のための2時間半!「リアル桃鉄」や「GREE」の新ゲームも紹介(11.04/24開催)

2011年05月17日

「位置ゲー」とは、携帯電話などの位置情報機能を使い、プレーヤーが実際に訪れた場所との連携によって進行していくゲームだ。位置情報を利用したツールは今ではすっかり浸透して、一度は耳にした人もいるのではないかと思う。今回は、そこに「鉄メディア」、つまり、鉄道や電車の駅を使った「鉄な位置ゲー」に的を絞ったイベントだ。

トークバトルというだけあって、主に登壇したのは「鉄な位置ゲー」提供企業3社。制作裏話のほか、爆笑の「リアル桃鉄」などのゲストも迎えて、「鉄分たっぷり」のライブレポートをお送りする。

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■「鉄な位置ゲー」だからこそできる支援。新企画も進行中!

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MCはもりちゃんと猫馬鉄春さん。もちろん、ふたりとも「鉄な位置ゲー」のヘビーどころではないユーザー。その実力たるや、もはや鬼の領域だとか。

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「鉄位置ゲー」提供企業のゲストは、「コロニーな生活☆PLUS」を運営する株式会社コロプラの山崎清昭さん(右上)、「ケータイ国盗り合戦」を運営する株式会社マピオンの加藤隆志さん(左下)、「全駅制覇!駅コレクション」を運営する株式会社電波の杜の炭谷大輔さん(右下)。

ごくごく簡単に説明すると、「コロプラ」は移動距離を架空のゲーム内貨幣として得て、それを使って自分に与えられたコロニーを開発していくゲーム。「ケータイ国盗り合戦」はその場所に行って指定された地域を制覇していくもの。「駅コレ」は、そのものズバリ、駅をコレクションしていくといったもの。「コロプラ」と「ケータイ国盗り合戦」は、鉄道を使わなくても楽しむことができるが、移動手段として鉄道との相性はバツグン。3社とも、鉄道会社とのコラボレーションを積極的に行っている。

鉄道を使うゲームということで、やはり、震災の影響も甚大。鉄道それ自体が運行できなくなってしまったり、企画としても、「コロプラ」では、東京メトロとの企画が延期になってしまったそう。利用者も震災直後は激減したが、いまでは西日本を中心に復活してきているとのこと。

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甚大な被害があった陸前高田市周辺のコロプラ利用者の図(4/23)。震災直後にはほぼ見られなかった反応も、徐々に復活してきた。

鉄位置ゲーファンにとって朗報だったのは、3社とも今後の見通しがたっていること。

一旦企画が延期になってしまった「コロプラ」は、復興イベントのほか、夏あたりに新しい企画がスタートするそう。山崎さんによれば、その企画とは「ずっと続くもので、他とはジャンルを変えたもの」。

「国盗り合戦」は、現在行われている「国盗りおにごっこ」のほか、夏の限定キャンペーンも開催が決定。「やります!」との声に、会場からも「おー!」と歓声が上がった。

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と、ここで映されたのは「ケータイ国盗り合戦」の看板(建設中)。なんとこの看板、東海道新幹線沿線に10基も登場予定! やる気マンマンです。機会のある方、是非ごらんください。

「駅コレ」は、復興イベントとして「つながるチャレンジ」を企画。ひたちなか海浜鉄道を積極的に支援したり、府中にある柏屋という酒屋で東北地方のお酒を買うことがクリアなど、独自の施策になっている。ユーザーを楽しませながら確実に切符を購入してもらうことで、それを支援に繋げようという考え方だ。

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ひたちなか海浜鉄道のフリー切符セットを1000円で販売。ユーザーの楽しみが支援につながる。

現地に実際に行くことがゲームのひとつの目的となる鉄位置ゲーは、「おでかけ需要」を作り出せるメディアだ。東日本は全体的に経済が停滞しているように思えるが、東北のなかでも、たとえば秋田などは震災の影響を受けていない。山崎さんは、そういった現地の人からは「ぜひ来てくれ」と言われるという。「コロプラ」では、東日本に遊びに行こうという企画も進行中。ここでは他にも、「短期的な企画よりも、長期的なサポートを目指していきたい」という意見が聞かれた。

猫馬さんは、「支援として何をしていいかわからない場合にも、そういった企画がひとつのきっかけとなる。ユーザーとしては、喜んで食いついていけますね」と歓迎の様子だった。

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■サイコロを使って鉄道を遊ぶ! 新感覚レジャーは「マゾゲー」と「地域活性」の2タイプ!

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続いてはゲストのコーナー。ここでは、鉄道にすごろく要素を取り入れたゲームを行っている人達を紹介。今回ゲストに呼ばれたのは、「リアル桃鉄」チームと「広探ゲーム」のばしけん(@bashiken1976)さん。

まずは「リアル桃鉄」から。上記写真右上は、発案者のひとりであるしーなねこ(@shiinaneko)さん。「リアル桃鉄」とは、その名からも想像がつくとおり、人気ゲーム「桃太郎電鉄」からインスパイアされたもの。リアルでやってしまおうぜ! というシンプルな衝動は、確かにありそうでなかった。

ルールは、物件購入がない分、本家桃鉄よりも簡単。目的地の駅を設定したら、それに向かってサイコロを振り、駅を移動していくだけ。目的地に一番乗りを果たしたら、そこまでの電車賃が得点として加算される。ただし、駅につくたびにカードを引き、その指令を実行するまでは次のサイコロは振れない。一番乗りが達成されたとき、最も遠いプレーヤーにはちゃんと貧乏神も憑くようになっているというのが面白い(下記写真参照)。

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貧乏神の概念をTシャツを着るという辱めで画期的に表現。まさにソリューション。

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カードの名前と効果はしーなねこさんのオリジナルがほとんど。「甲子園カード」では泣きながら砂を集め、「2リットルカード」では2リットルの水を買う。現在では、「ルージュの伝言カード」(駅の掲示板に「浮気な恋をあきらめない限り家には帰らない」と書く)や「ロマンチックラブカード」(反対側のホームから同行する相方に向かって「大好き!」と叫ぶ)などそのラインナップたるや252枚(!)。

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終了後は罰ゲームもある。’07年では、デーモンメイクで打ち上げから帰宅までを過ごすといったもの。’08年大阪大会では、くいだおれ太郎になるという罰ゲーム。2年連続でしーなねこさんが罰ゲームというあたりに、主催者の哀愁が漂う。

なんだか面白そうだなー! と単純に構えていると、実はそうではないことが直後に判明する。というのもこのゲーム、やればやるほど自分との闘いになってくるのだ。

つまり、電車に乗っている間も周囲から孤立、サイコロを振るのも周囲から孤立、指令を実行するのも周囲から孤立という、あの本家が本来持ち合わせているワイワイガヤガヤ感とは程遠い、平和な日々を送る善良な人々から白けた視線を受け続けるというマゾヒスティックな世界観(実際は異様なまでに無関心を貫かれる。そっちの方がキツイ!)が構築されているのだ。

「リアル桃鉄」について、しーなねこさんは「精神修行」、あるいは「紳士のスポーツ」、あるいは「もう二度とやりたくないと思った」などと表現。何をおっしゃる! (見ている分には)とっても面白いですよ!

この「リアル桃鉄」、位置情報システムと(やっと)連動していくようになったそうなので、いよいよ本格的に本家に近づいていくのではないかと予想される。今後について、しーなねこさんは、「提携とかしたいなぁ……」とつぶやいておりました。誰か、興味のある偉い人はぜひ!

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貧乏神Tシャツも、もはやTシャツとは呼べないものもあるほどに進化。参加者は、着用による非日常体験を通して、恥辱すら快感になる精神状態へと変わっていくのです(※想像です)。実物を紹介してくれたのは、もう一人の発案者であるイガラシイッセイ(@polisan)さん。参加者は回を重ねるごとにどんどん増えているそう。

ゲスト2組目は、「広探ゲーム」のばしけんさん。

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ばしけんさん。ツイッター公式アカウント(@hirotangame)も絶賛稼働中!

「広探ゲーム」は、「広島探索ゲーム」の略で、広島市内の路線を使ってすごろくをするというもの。止まった駅ごとに指令がある、というのは「リアル桃鉄」と変わらないが、その指令の中には、ある場所に行くことを指定される場合もある。それは、地元の人でも知らないような観光場所が指定されていることが多い。つまり、このゲームがそのまま、広島市を新たに発見する観光案内として機能しているのだ。

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広島市内の路線図。分岐や円形、行き止まりの路線がバランスよく配置されており、すごろくマップとして、とても都合のいい作りになっている。

「広探ゲーム」が興味深いのは、協力店舗としっかり連携がなされていること。たとえば、立町駅の「東急ハンズに行って指令をもらえ」という指令では、店舗でゲームに参加していることを伝えれば、毎回オリジナルの指令が考えられており、それを渡してくれるそう。

指令先になっている店舗は、参加者に格好のプロモーションができる。参加者にとっては、なにが指令されるかわからないドキドキ感を味わえる。両者が楽しみながら、広島市の観光を盛り上げるという点で、画期的なイベントになっていると言えるだろう。

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プレゼンの様子を見て、「(うらやましそうに)生産的ですね……」としーなねこさん。「提携して、広島でリアル桃鉄をやってみては?」というアドバイスには、「いいですね。提携が何を意味するかまだわかっていないですけど」と回答。将来、見事なコラボが見られるかも!

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■ラストは新たな参戦者! プラットフォームをGREEに構えた「駅奪取」。

最後に登場したのは、「鉄な位置ゲー」新たな参戦者、株式会社モバイルファクトリーの「駅奪取」。プレゼンしたのは、同社の四條裕樹さん。

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左上が四條祐樹さん。「奪い合う」というコンセプト、かわいいキャラクターや、プラットフォームのSNS的連携力を強みにした「駅奪取」は今後どのような展開をするのか。

「駅奪取」は、まさに「駅コレ」との競合。ただし、「駅コレ」が駅をコレクションしていくという発想があるのに対し、「駅奪取」は名前通り駅を奪い合うことが目的。さらに、GREEというプラットフォームによって、友人との連携強化も実現。ゲーム性としては、より激しいものが想像される。

また、位置情報を使ったゲームというのは、ソーシャルゲームとしては珍しい。「鉄な位置ゲー」としてだけでなく、GREEというプラットフォームのなかでも、どのような位置を占めていくのかにも注目だろう。今後は、鉄道会社との連携も考えているという。

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同じ壇上にあがった「駅奪取」の四條さんと「駅コレ」の炭谷さん。お互い穏やかに見えて内心バチバチなのでは……とこちらがドキドキでした。

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以上でイベントは終了。この後は、1時間飲み放題の懇親会も開催された。

リアルと位置情報システムを連携させて進行する「位置ゲー」。今回は鉄道に的を絞った「鉄な位置ゲー」だったが、いずれにしろ、ユーザー自身が動かなければゲームは進行しないのが一番の特徴だ。そして、そのなかには、「広探ゲーム」のように、現地へ行ってみて初めて発見できるものもあるだろう。

ITとアナログが結びついた「鉄な位置ゲー」。今後も、その盛り上がりに期待である。

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この日配られたオリジナル包装のチョコ。包装は大事に持ち帰りました。味は、鉄分たっぷり……ではなく、普通のチョコでした。もちろん。

(ライター・安田俊亮)