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チャリティイベント『HEART FOR JAPAN~アート・カルチャー×ソーシャルメディアトークショー&大交流会~いまこそアート・カルチャーの出番だ!!』ライブレポート(11.4/23開催)

2011年05月23日

2011年3月11日。

この日付を、僕らは一生、忘れることはないでしょう。
あれから2か月経ちましたが、数々のニュースは、
震災がまだ続いていることを、僕たちに教えてくれます。

今回の震災では、数々のチャリティイベントが日本中で開催されました。

阪神淡路大震災のときもチャリティはありましたが、もっと小規模の
イベントが、日本中で立ち上がっているのが、今回の震災の特長。

そのイベント主催者の多くが、ソーシャルメディアを通じてつながり、
プロジェクトを進め、イベントを行い、多くの人と手を取り合って、
被災地への支援を行っています。

2011年4月23日。

震災から一ヶ月経ったこの日、東京カルチャーカルチャーでも、
「アートとソーシャルメディア」をキーワードに語り合う
チャリティトークライブが開催されました。

呼びかけたのは、アーティストのSNSを運営するクリエ・ジャパンの
足代さんです。足代さんの呼びかけに、弊店の店長横山が応え、
急遽、イベント化が決定しました。

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クリエ・ジャパン足代さん。アーティストと親交が厚く、数々の支援プロジェクトに
関わっています。

まずは震災当日、数多くのRTで情報提供に徹した
「僕の見た秩序」管理人・ヨシナガさんによる震災とメディアまとめから。

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右がヨシナガさん(「僕の見た秩序」管理人)左は弊店店長、横山です。

今回の震災で、特に大活躍したのは、ツイッター、mixi、Facebookなどの
ソーシャルメディアでした。電話が不通になる状況で、知人や家族の
安否をとることができ、また情報収集にも役立ちました。

ソーシャルメディアウォッチャーとしても有名なヨシナガさんが、
3.11以降のソーシャルメディアの流れを解説します。

全国的な停電危機が叫ばれ、輪番停電の報道があった直後、
ツイッターで節電を呼びかける「ヤシマ作戦」が提唱されました。
結果短期間で輪番停電は解除されることに。
マスメディアの停電情報は遅れてたがツイッターはメディアの
報道より早く、停電の最新情報を届けました。

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震災では、テレビがみれない被災者のためにとNHKをUstreamで
流す人が現れました。当然、平時では違法行為ですが、
NHKのツイッターのアカウント「@NHK_PR」が中学生の違法ユーストを
公認するツイートをしました。

これを受け海外の人にテレビのニュースを同時通訳して
英語で流す人も登場。
災害弱者と呼ばれる外国人の方も、助けられたそうです。

NHKも娯楽放送をYouTubeに無償アップし、
ラジオでは、ネットラジオサービスの「radiko」が
聴取地域の制限を解除し、被災地でも全国のラジオが
聴ける様になりました。

ソーシャルメディアの動向に詳しい林信行さんは、次のように語ります。

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「今回の震災でマスメディアは変わりました。
 ツイッターなどでの反応をフィードバックして、
 視聴者の反応をみるようになりましたね。
 ネットでの反応がそのまま視聴率にも反映されることになり、
 視聴率ではなく視聴者の反応をみるようになってきました。」

またヨシナガさんは、ソーシャルメディアを通じて話題になった、
震災を機に生まれた数々の表現者のアクションについて
次のように語りました。

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「ACのCMの、"ありがとうさぎ"をパロディ化した、
 ありがとうさぎの変形ロボットアニメ動画が
 YouTubeやニコニコ動画にアップされて、550万回再生されました。
 単純計算ですが、日本人の23人に1人みた計算になります。
 それで、被災地からこの動画に【久しぶりに腹の底から笑った】という
 コメントがついたんです。
 著作権的には怒られることかもしれないけど、クリエイターによる
 二次創作が人の心を救った面はあったんじゃないかと思います。」

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「震災後初めて腹の底から笑ったよ」のコメント

続いて、企業やNPOのソーシャルメディア活用について
詳しいイケダハヤトさんが、震災とソーシャルメディアの
関係性について次のように語りました。

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「阪神大震災はボランティア元年だったが、
 東日本大震災は、マイプロジェクト元年でした。」

マイプロジェクトとは、個人のつながりを前提にした
プロジェクトのこと。個人が手を取り合って、被災地を
救おうとアクションを起こしたのが、今回の震災の
特長だったとイケダさんは指摘します。

「マイプロジェクトは、消費者がつくった
 プロジェクトがうごいて行く、従来の消費者とは違う概念です。
 例えば、中古車販売のガリバー社が実施するガリバータッグプロジェクトは、
 車を100台被災地におくる際、その利用用途を電子会議室の
 投稿から決めていくます。現場ニーズを可視化し、クリエイティブな
 アイデアをだして、プロジェクトを形にしていきます。」

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イケダさん「震災は、自分に何ができるかを世界中に問いかけた初の機会。
       ソーシャルメディアを通じ仲間とつながり変化を
       加速させるのが大事ではないかと思います。」

イベントでは他にも、数々の企業、団体、個人が、マイプロジェクトの事例が
紹介されました。

サイボウズLiveの長山さんは、「被災者ホームステイシステム」を紹介。
短期のホームステイを被災地から受け入れるマッチングサービスです。

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長山さん(サイボウズLive)

NPOが行う被災地ホームステイプロジェクト「HOPESTAY」では、
プロジェクト内の意見交換が活発で大量のアイデアがでるそうですが、
メーリングリストではアイデアがさばき切れないとサイボウズが
相談をうけ、サイボウズLIVEの仕組みの提供を決めたそうです。

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サイトの掲示板上でコンサート企画のアイデアだしや、
ファイルの共有、就職支援情報提供をまとめたりすることができます。

マンガナイト主催の山内さんは自身が開催するイベントでの
チャリティの取り組みを紹介。

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「マンガを楽しむマンガナイトというイベントをやってますが、
 震災で、漫画直行便という企画をイベント化しました。
 避難所レベルでも娯楽がほしいという話が現地からでて、先週開催しました。
 マンガ好きな方は本当に【待ってました!】という前向きな反応をしてくれました。」

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山内さん(「マンガナイト」主催者)

読み古したマンガではなく、スラムダンクやワンピースなど、
人気作の全巻セットが集まったそうです。その日のうちに
避難所毎に仕分けしてダンボール57箱分のマンガを発送したとのこと。

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お気に入りの台詞のページに吹き出しつきのしおりを挟んで送ります。
山内さん「こうすると、ただ送るだけではなくて、コミュニケーションが生まれます。
コミュニケーションを軸にした支援は、受け入れられやすいんです。」

カルチャーカルチャーでもイベントを開催している
アートサイト「TOKYO SOURCE」の米田さんは、
「エールアート」プロジェクトについて説明。

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「エールアートはアートによる復興支援のプロジェクト。
 作品をハッシュタグつけて画像であげると、エールアートの
 サイトに掲載される。ポストカードでの個展も開催しました。
 ポストカードは個展でその場で印刷販売して、売上は募金にあてています。」

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同じくTOKYO SOURCEの近藤さんは、「Act for JAPAN」プロジェクトを
立ち上げました。

「アクトフォージャパンは、お金と心の両面でアートを通じて
 復興支援するプロジェクトです。演劇やアーティストなど、
 様々なジャンルの人が集まってる。チャリティーイベントをやって、
 まずはお金をつくって被災地に送ろうとしています。」

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クリエイターの祭典とも言われる年二回開催の
大規模アートイベント「デザインフェスタ」事務局の
荒木さんも、いわきのアーティストをフィーチャーした
チャリティ展示を企画しました。

「年二度のイベントを開催してるが、震災にどう
 取り組むかなかなか答えがでなかったが、アーティストさんから、
 チャリティをやりたいと声があがりだした。そういう方々の気持ちを
表現できる場を作りたいと思いチャリティー展示を企画しました」

イベントで紹介されたのは、いわき在住のアーティスト、
Dwartというプロジェクトを行っている長岡さんです。

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左・デザインフェスタ事務局の荒木さん、右・Dwart 長岡さん

いわきには数々のアーティストが在住していて、被災しました。

長岡さん「陶芸アーティストの方が窯を使えなくなりました。
その間、収入が途絶えるので、在庫を売って当座の暮らしを
支えたいということでデザインフェスタ事務局に相談し
いわきのアーティストの展示を企画しました。」

「原発10km圏内在住の方がアクセサリー出展したり、
 海沿い在住で家が半壊した方の作品を売っています。
 作る状態までは正直いっていません。
 だけど、幾つか売れたのは、未来への希望になりました。」

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いわき市のアーティストが作った作品。個展や通販で販売されました。

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多くの人々、企業の協力により、復興支援プロジェクトは動いています。

復興のために僕たちが何をするべきか。
林さん、ヨシナガさんの言葉が印象に残りました。

林信行さん「復興のためにどういうことができるかって、
       答えはないんですよ。被災地だって、道一本隔てて被害の
       有無が全然ちがうくらい。人によって何が必要か、
       言うことが被災者ひとりひとりちがうのが現状なんです。
       だから、自分が信じることをやって、やりながら
       修正してくしかないんですよ」

ヨシナガさん「誰にでも、ひとりひとり得意なことがあると思います。
        自分の特技とか事業で協力すれば、
        掛け算効果で大きなことができるんじゃないかと思う」

東京カルチャーカルチャーは、3月の営業再開以降、
イベントの売上の一部を被災地に寄付しています。

また、このイベントのチケット代の半額を、被災地のアーティストへの
画材購入のために寄付にあてさせて頂きました。

イベントという「得意なこと」で、日本を少しでも、元気にしていきたい。
そう信じながら、これからも、イベントがんばっていきます。

横山店長が、イベントでつぶやいた一言が、
このイベントのテーマになりました。

「今こそ、アートやカルチャーの出番なんだよね。」

うん、その通り。

僕らが持っている1つ1つの武器は、小さなものかもしれないけど、
それが集まることで、巨大な脅威を打ち破ることができる…そう信じて、
カルチャーカルチャーは、これからも変わらず、アートやカルチャーを発信していきます。

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(河原あず/東京カルチャーカルチャー)