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『みちくさ学会の発表会』ライブレポート:知れば景色が変わる「みちくさ」のヒントがたっぷり14本!もうみちくさせずには歩けない!(11.5/07開催)

2011年05月30日

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ライブドアが運営するブログメディア「みちくさ学会」がこの度一周年を迎え、初のイベントを開催しました。「学会」という名前のとおり、講師のみなさんがそれぞれの担当するみちくさ案件を発表する企画だったのですが、登壇者なんと13名!第一回からボリューム満点のイベントでした。(ライブドアの企画がニフティのカルカルで開催される、というのもどこか感慨ぶかいものです…)

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■給水塔 あべ りょう
まずは「みちくさ学会」仕掛け人でもあり、給水塔好きであるあべさんから発表スタート。ほんとうに突拍子のない造形のものが多くてびっくり!「風景のなかのちょっとした違和感」というにはあまりにも大きいものなのに、普段あまり気にしていない事に気がついて二度びっくり。「日常の中の非日常」ってこういうことかー。

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■外蛇口 小林 智也
「外蛇口」とは、その名の通り「外にある蛇口」のこと。なんでこれを撮り集めてしまうのか…。あっけにとられるお客さんでしたが、数多くの外蛇口を見ていくうちに「ああ、これはいいかも…」という雰囲気になってくるのが不思議。たしかにこの一枚、よい佇まいをしていらっしゃる。

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■マンホール 森本 庄治
普段、文字通り足蹴にしているマンホールも、少し注意を払うと面白いものがたくさん。自治体ごとに違うので、地域によってとても凝った意匠のものもあるのだとか。まさに「おらが街自慢のマンホール」と言ったところでしょうか。それにしても、こんなにカラフルなものがあるとは思いませんでした。

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■暗渠 本田 創
「暗渠」とは、川を埋め立てたり蓋をして地下化したところ。いまだ川跡の雰囲気を残しているところも多いのです。本田さんは「暗渠」そのものだけではなく川筋という線や地形を追いながらその周囲を楽しんでらして、つい暗渠を辿る散歩に出たくなるような発表でした。

さて、ここまでが第一グループ。「水まわり」とくくられたものの、それぞれの対象物を追いかけるスタイルがまったく違っていて興味深いものでした。「見えているのに気にされない大きなもの」「誰も見ようとしないものに注意を払うもの」「形はないけれど、気配を頼りに周辺を見てまわるもの」…。なかなか奥深いようです、みちくさの世界。

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■ガスタンク 渡邊 雄介
よくよく考えると街のど真ん中にこんな丸くてかわいらしいものが鎮座してる、というのも不思議なもので。うっかりペイントされてしまったり、「薄汚れたくらいがちょうどいいんだよ!」と力説されたり。しかし青空にこれほど映える巨大建造物もないでしょう。「ガスタンク、あをによし」と(適当)。

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■トマソン 川浪 祐
かつて赤瀬川原平が「建物に付随する役に立たないものをトマソンと名付けた」というのは万人の知るところですが、実際のところトマソン選手がどれほど役に立たない助っ人外国人だったかは知らなかったのですが…。なんだい実は結構良い成績残してるんじゃない!と、持ち時間のほとんどがトマソン話に終始する変化球ぶり。腹抱えて笑いました。

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■旧地名 102so
区画整理や行政界の変更により消えてしまった地名が、ふるい看板などに残っていることがあります。それを丁寧に探し歩いているのが102soさん。発表の初めこそ「なんだそれ?」という雰囲気だったのですが、独特の語り口も相まって客席がどんどんわくわくしていくのがわかりました。10年後にはおそらくもう残っていないであろうもの、訪ね歩くならお早めに。

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■看板建築 山崎 俊輔
こちらも、この先いつかは失われてしまうかも知れない。関東大震災の復興時に作られた商店などに取り入れられた「看板建築」と呼ばれるもの。銅版を掘り込んだり、ちょっと不思議な屋根の形をしていたりと、それぞれに工夫を凝らした造作がかわいらしい。老朽化や再開発などの影響で、どんどん姿を消しているのだとか。もったいない!

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■銭湯 まぁやぁ
こちらも近年グッと数が減った感のある銭湯。発表の中で指摘されてあらためて気付いたのですが、古い銭湯がまるで寺社建築のように豪華な造りになっているってなんだか不思議。(どうやらこれも、関東大震災の復興期に普及したものだそうです。不謹慎な言い方かもしれませんが、「復興」の力強さってすごい)オークションで落としたというのれんには「欲しい!」の声が会場のあちこちから。

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■交通公園 大上 祐史
「交通公園」とは、その名のとおり標識を見たり車を運転したつもりになったりして、遊びながら交通ルールを学ぶための公園。数は多くないものの、全国各地にあり子どものみならず大人もじゅうぶんに楽しめる場所なのだそう。会場では知っているひとと知らないひと、半々くらいだったかも。(私も知りませんでした)街のミニチュアのような場所、ぜひ行ってみたい!

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■高層ビル 中谷 幸司
「とにかく大きなたてものが好き」とおっしゃる中谷さん。好きな気持ちが溢れるばかり、実際に高層マンションに居を構えてしまったのだとか。発表ではたてものの高さだけではなく、家賃の高さもあわせてプレゼンされていました。セルリアンタワーに住めるなんて知らなかった!家賃が100万越えているなんて知らなかった!二重の意味で「お高い」物件がたくさんあることを知りました。

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■エスカレーター 田村美葉
「学会ということなので、ちょっとそれっぽく準備してきました」という田村さん。「自分がかっこいいと思ってあつめているエスカレーターは、はたしてみちくさに分類されうるのか?」という大きなテーマでの発表でした。そして繰り出される全国から集められたエスカレーターの数々。プレゼンが終るころには、客席がすっかり「かっこいいとはなにか?」がわかった雰囲気になっていました。ふしぎ。

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■換気口 前川ヤス
大トリは前川さん。登壇者中唯一のタモリ倶楽部出演者であり「タモリをして日本唯一の換気口マニアと言わしめた」過去を持つ彼、発表もなんだか堂に入ったふう。ここまでほぼオンタイム進行だった発表時間を大幅に踏み越えつつの、換気口(そしてなにかを蒐集してしまう人についての)熱烈なトークでした。濃い。

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あっという間に過ぎた時間を振り返ってみるに、世の中ってほんとうに面白いことだらけで、いくらでもみちくさが出来るものなんだなあと強く感じました。

今までは気にも留めなかったものに、これだけの熱意を持って相対してる人がいる。そして、愛情と思い入れたっぷりに集められた「なにか」に一度触れてしまうと、もはやそれを気にせずにはいられなくなってしまう。

ああ、これは大変なことに気付かされてしまった! 今日のお客さんのなかから、またあらたな「みちくさ学会講師」が生まれるのかもしれません。次回の登壇者は、みちくさの果てになにを見つけた方なのでしょうか。次の発表会開催がとても楽しみです。

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本日の登壇者大集合。楽しい時間をありがとうございました!

(ライブレポート・アオキエリ / EXHIVISION)