ネットとリアルをつなぐソーシャル飲食店

第2回 みちくさ学会の発表会ライブレポート:知れば景色が変わる!魅惑の路上観察エンターテイメントへようこそ。(11.8/28開催)

2011年09月18日

バス停、看板、ガスタンク、純喫茶、トマソン…
普段なら通り過ぎてしまうような、路傍の風景や建築物を
心の底から愛し、追いかけ続けるブロガーたちの集団、
「みちくさ学会」

大盛況となった前回から3ヶ月あまり、
度重なる期待の声に応える形で
「みちくさ学会の発表会 第2回」が開催されました。

Dsc_0301_2

トップバッターの岩垣 顕さんは、「バス停」の専門家。
東京都内でもっとも長い距離を走る「都バス 梅70系統」に乗り、
多摩地域を旅した様子を発表しました。

Dsc_0314

立川市にある、番号のついた地名。
「砂川一番」から「砂川十番」まで一堂に会したバス停フォトは
なかなかの壮観。

Dsc_0322

昔の映画の看板がモチーフとなった、青梅市のバス停。
こんなおしゃれな街角が多摩地域にあったとは…
隠れた街の魅力を掘り出す写真たちに
会場の熱い視線が注がれます。

Dsc_0326

「純喫茶」にスポットをあてたのは、フォトグラファーの塩沢 槙さん。

Dsc_0336

独特の雰囲気漂う、魅惑のお店から…

Dsc_0350

そこにいるお客さんまで風景の一部のような、味のあるお店まで。

Dsc_0356

コーヒーの香りから、はてな時の流れまで見えてきそう。

「歩道橋」を取り上げたのは、その名も歩道教さん。

Dsc_0363

色、形、材質…さまざまな角度から街中の歩道橋たちを鑑賞していきます。

Dsc_0365

某アイドルグループになぞらえた「歩道橋時代」。
選りすぐりの”美脚”歩道橋たちが、会場を圧倒します。

Dsc_0387

人気ウェブサイト「八画文化会館」のライター、
石川 春菜さんが取り上げるのは「ローテク看板」
板とモーター…のような、極めて古い仕掛けで動く看板たちを紹介します。

Dsc_0399

広島の某百貨店で発見したという、謎のローテク看板。

Dsc_0408
肉…?

天候の影響をモロに受ける和尚さん。

Dsc_0411

視点の向く先は、郊外だけとは限りません。
都会の片隅にも、知られざるみちくさの種はたくさん眠っているのでした。

たとえば、102soさんが紹介する、「旧町名」

区画整理によって統廃合された、かつて存在した町の名前がつぎつぎと。

Dsc_0435

Dsc_0441

現存する地名にその痕跡がどれくらい残っているか、
またどれくらい昔に存在したか…といった基準で
レベル分けされた、町名たち。

たとえば、この地名は「A判定」。
東京23区(特別行政区)が発足する前、
東京都がまだ「東京府」と呼ばれていた、古い時代の町名なのだとか。

Dsc_0458

地名だけを見せて「これは何判定?」と、みんなで考えるひとコマもありました。
たかが地名、されど地名。地名に歴史あり。奥が深いです…。

「外蛇口」という、これまたマニアックなテーマで参戦したのは、小林智也さん。
建物の外に設置された蛇口、つまり「外の蛇口」を集めに集めました。

Dsc_0466

ホースにつながった蛇口から、さらにホースが…

Dsc_0474

想像もしない場所に付けられた外蛇口。
さて、どこに付いているでしょう…

Dsc_0478

たたずまいの美しさでは、こちらも忘れてはいけません。
渡邊雄介さん発表による「ガスタンク」

Dsc_0486

Dsc_0493

おだやかな街の景色に溶け込む、巨大なガスタンクたち。
ずっとそこにある、という事実が醸しだす、不思議な安定感。
静かでありながらも、どこかとても大きなメッセージが写真から伝わってくるようです。

Dsc_0488

そのトークの軽快さで、観客の注目をいっきに惹きつけたのが
「トマソン」の川浪 祐さん。

街中に潜む、「それ、何のために…?」という「無用の長物」的な建築を紹介しました。

Dsc_0527

階段もなく、普通に使っていたら辿り着くことができない場所に付けられたドア。
それ、何のために…?

Dsc_0536

上に塀を建てられてしまい、
二度と開けることのできなくなったマンホール。
それ、何のために…?

Dsc_0548

街を歩いていると意外に見つける、こんな「トマソン」たち。
みちくさ学会では、読者のみなさんからの「トマソン発見報告」を受け付けているそうです。
道端で見つけた方は、投稿してみるのもいいかも。

あなたのトマソン見せてください(みちくさ学会)

発表のトリを務めたのは、「銭湯」のまぁやぁさん。

昔懐かしい、古き良き銭湯のある風景を、目を細めながら解説しました。

Dsc_0556

いまはもう現存しないという、横浜市保土ヶ谷区にあった銭湯。
軒先に吊るされた板は、湯加減をお客さんに知らせるもの。
名付けて「わ板(わいた)」、なのだそうです。シャレが効いてますね(笑)

Dsc_0565

時代の流れか、哀しいかな廃業を余儀なくされる銭湯の姿も。
こちらは洗い場の壁だけが残った、とある銭湯の跡地。

Dsc_0581

写真としての美しさもありながら、その余白にもストーリーを感じてしまう。
そんな不思議な深みのある「みちくさ写真」たちが
スクリーンの上を通り過ぎて行きました。

プレゼンの後は、他のテーマの専門家たちも加わっての
質疑応答大会。

「みちくさ活動に欠かせない道具は?」
「家族にはどうやって説明しているの?」
など、見る側としても気になる質問の応酬に
会場は湧き上がりました。

Dsc_0588

「マンホール蓋」の専門家、森本 庄治さんの必携品は「iPad」。
全国のマンホール蓋の発見情報をGoogleマップに表示させ、
首から下げた状態で見ながら探索を行うのだとか。
ハイテク…!

Dsc_0598

「家族にはどう説明しているの?」という問いに対して、
「(探索に出かける)週末は相方が不在だから…」
「もう(説明するのは)あきらめました」、という声が。

「私が出かけるときは、もうなんの説明をしなくても
「マンホールの写真を撮りに行くんだな」と思われています。
仕事で出張に出かけるときでも…」

Dsc_0611

観察対象ともはや一体化すらしているような印象すら感じてしまう表情。

ただ通り過ぎるだけではもったいないよ…
毎日はこんなにも面白い発見だらけだよ…

みちくさ学会の人々は、
いわば人の形を借りた「街の精」なのかも知れません。

みちくさ学会 ウェブサイト
http://michikusa-ac.jp/

(ライター・天谷窓大