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『ミュージアムトリップ vol.2 ~芸術の秋、感じる秋~』ライブレポート:美術館ってどうやって儲けているの? 美術史がよく分からない! 秋こそ芸術! アートに深く触れるイベント!(11.10/10開催)

2011年10月24日

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アートをより深く理解してもらいたい!
そんな思いから学芸員がアートの楽しみ方をレクチャーする企画が開催された!
その名も
「ミュージアムトリップ」。

今回で2回目となり、
前回よりさらに突っ込んだトークを聞かせてくれた。
さて、今回の講師もこのお二方。
美術館経営が専門
の平井宏典(ひらい・ひろのり)さん。
そして、奥本 素子(おくもと・もとこ)さん。
美術館での効果的・効率的学びの研究を専門だ。

<メンバー>
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平井宏典(ひらい・ひろのり)

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奥本 素子(おくもと・もとこ)

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司会:テリー植田

●ミュージアムトリップ検定
プロが出題する少々マニアックなクイズ15問。

の中から4問ほどピックアップ!

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<ミュージアムトリップ検定>
・東京国立近代美術館の平成22年間事業費用はいくら?
 答
え:15億円

※解説※
空調、警備、保管、研究など美術には膨大のお金がかかるとのこと。
日本のように国が豊かでないとで
きない。

・民間企業の中で美術館経営のための専門会社をもってるのは?
 答え:サントリー

※解説※
社会貢献というアピール
のために大企業がアートに出資しているケースが多く、
サントリーはアート系の専門会社「サントリーパブリシティサービス」
という子会社が
ある。

・ルネッサンスの次の美術様式、マニエリスムはある言葉の語源になりました。
 それはなんでしょう?
 答え:マンネリ


解説※
絵の勉強をする際に巨匠の絵を真似る練習法が取り入れられ、
同じものを何度も複写するうちにマンネリという言葉が生まれた。

・ゴッホの画家になる前の職業は?
 答え:牧師

※解説※
話がうまくなかったので信者を一人も集められなかったと
か…。
でも貧しい人に歩み寄って描く才能は抜群。その様な名画が多い!

●第一部:美術館の人達はどうやってゴハンを食べているのか?

ここからは平井さんによる、
美術館はどのように儲けているのか?その謎に迫る!

・「博物館=美術館」

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この2つは言葉が違えど、実は定義が同じ。
モノを収集して一般に公開するのを「博物館」で、
動物園、歴史博物館、植物園、美術館、
科学館、博物館、水族館、
プラネタリウム、これらはみんな同じ「博物館」である。

・博物館の役割

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「調査・研究」「収集・保存」「展示・教育」これが役割。
ただ美術館によっては自館コレクションをもっていないところもある。
そし
て収集物や展示するものを分けすることで、
美術館をタイプ分けすることができる。
例:近代美術館、西洋美術館など

・美術館の中心人物:学芸員

「学芸員」とは、美術物の研究や収集、美術展の企画を行い、
美術館の中心となって活躍している方々。

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その中で有名な方が…、長谷川裕子さん。

そして今注目の方が…、木下史青さん。
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日本で初めて照明一本で有名な人物で、
美術館照明の分野で彼の右に出るものはいない!
といっても過言ではないぐらい、注目の人。


スポンサー、レストラン経営、グッズ販売、結婚式

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美術館は建物に凝っているところが多く、
オシャレ度が高い! そこで結婚式場として提供し、
利益を得ているのが「原美術館」。

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スポンサーを集ってパーティーやイベント開催することで、
参加者無料で美術館にお金が入るというやり方をしているのが、
「ブルッ
クリン美術館」。

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「ルーブル美術館」ではパーティーを開くことができ、
50~150人集められる部屋が約200万円から開くことができる。

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美術館内にレストランを開き一流な料理を振る舞って利益を得ている。
「ホワイトチャペルギャラリー」では、
一つ星レストランがあ
りVIP室を用意している。

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グッズ販売しているところも多い。例として「MOMA」。
結婚式の引き出物やちょっとしたプレゼントにもってこいの
センスが良い
商品を購入できる!

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変わってきた美術館。
以前は「見せる/教える」の視点であったが、
現代は「楽しむ」という流れになってきた。

●第二部:ちょと変わった美術史

次は奥本さんによる美術史コーナー。
誰がお金を出したのか?という視点と
これを現代に置き換えると…という視点で、
美術史
をバッサリ解説してくれる。

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・ルネサンス以前(5世紀から14世紀)

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~~~~~~~~~~~~~~~~~
お金を出したのは:教会
前時代の反動:ギリシャって軽薄!
~~~~~~~~~~~~~~~~~
ギリシャの美術は裸体が多いのでそれに対しての反発があった。

の頃は教会が中心であったので、絵の技術は発達していなかった。

・ルネサンス(15世紀=室町時代)

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~~~~~~~~~~~~~~~~~
お金を出したのは:教会や貴族
前時代の反動:自然に忠実に
当時の科学技術:遠近法、明暗法、解剖学
~~~~~~~~~~~~~~~~~

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ルネサンスを現代人の感覚でいうと映画「アバター」のようだとか。
今までは平面の絵が主流であったが、
遠近法の発明により3Dで
表現できることができ、
私たちが「アバター」を見たときと同じ感動であった。

・マニエリスム(16世紀=戦国時代)

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~~~~~~~~~~~~~~~~~
お金を出したのは:宮廷
前時代の反動:きちんと技法を学ぼう
~~~~~~~~~~~~~~~~~

先人達の技法を学ぶ、絵を真似する、マンネリ…
マンネリという言葉はこの様な意味合いから生まれた。

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マニエリスムを現代人の感覚でいうとアニメ「ジョジョ」。
クネクネとした画風がセンセーショナル。
不自然な手や体がオシャレとさ
れていた。

・バロック(17世紀=江戸時代)

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~~~~~~~~~~~~~~~~~
お金を出したのは:教会と庶民
前時代の反動:一般の人にもわかりやすく
当時の科学技
術:活版印刷、宗教革命
~~~~~~~~~~~~~~~~~

庶民が部屋に飾るための絵を画家に描かせるため、
日常の風景を絵に描かせたものが多い。
写真や映画のワンシーンのように迫力のある
作品が多い。

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現代人から見たら「あさきゆめみし」のような感覚だとか。

・ロココ(18世紀=江戸時代)

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お金を出したのは:貴族(特に女性)
前時代の反動:かわいくない
当時の科学技術:産業革命
~~~~~~~~~~~~~~~~~

貴族の女性が自画像を可愛く描いてもらうのが主流だった。
作風がホワンとしてボカシかかったものが多い。
また女性目線のエロを描い
た作品が多い。

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レディコミのように女性視線のエロを描いた作風が多い。

・ヴェネツィア派
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お金を出したのは:金持ち
前時代の反動:線より色! きちんと描くよりきれいに見せたい!
当時の科学技術:海外貿易
~~~~~~~~~~~~~~~~~

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こしょうの海外貿易で大金持ちのヴェネツィアだけあって、
とにかくゴージャスな作風!

・ゴヤ
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お金を出したのは:カルロス4世
当時の科学技術:市民革命
ゴヤを理解するキーワード:いきる
のはつらい
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激動の人生を送ったカルロス4世。
彼がゴヤに描かせた作品はとても暗い。
いきるつらさが物語っている。

・ナビ派

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お金を出したのは:市民
ドニを理解するキーワード:好きな人を好きなように
当時の科学技術:
カメラも映画も
~~~~~~~~~~~~~~~~~

この頃にはカメラや映画が発達したので、
モノを正確に描く必要がなくなったので、

由でのひのびとした作風が多い。

・20世紀以降のアメリカ美術

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お金を出したのは:コレクター
キーワード:うまいより個性
~~~~~~~~~~~~~~~~~

現代はとにかく個性が問われるようになる。
変な作品でもコレクターがお金を出して買いたがれ
ば、
それで通ってしまうので定義が曖昧なのが現代アートである。

●最後はお客様のアンケートを元に雑談コーナー!

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「図録は買った方がよいか?」などの質問が飛び交う。
奥本氏曰く、最近はネットショップでも買えるものもあり、
売り切れると増版さ
れることはないので、
なるべくいいと思った図録があったら買っておいた方がよいとのこと。

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プロの学芸員からアートのレクチャーを聞く機会なんて、
中々そうありませんよね。
特に美術館経営について初めて知った人も多いで
しょう。
今度は足を運んだ美術館がどのような経営しているのか、
その様な視点で見てみると、更なる発見ができるかもしれませんね!

ホシスミレ/へんしゅう&ぶんぴつか