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堀内克彦 presents 『宿坊でできる七つの修行』ライブレポート(2012.4/28開催)

2012年05月29日

みなさん宿坊ってご存知ですか?
宿坊とはお寺や神社の宿泊施設のこと!

宿坊研究家の堀内克彦さん曰く
「宿坊は日本の文化と歴史が体感できる最強の宿!」

しかし、お寺や神社に馴染みのない人にとっては
あまりにも”未知の空間”すぎるため
「お坊さんに厳しくて怒られるのでは?」
「ボロボロの部屋に雑魚寝するんだよね?」
「そもそもお寺や神社って泊まれるの?」 …等々、
数多くの誤解や不安を抱かせてしまうようです。

そんな不安を全て吹き飛ばし、宿坊の素晴らしさを知ってほしい!

カルカルでは3年ぶりとなった宿坊のイベント。
今回のテーマは「宿坊でできる修行体験」!!

座禅や写経は罰ゲームではありません。
精進料理は一流料亭にも負けないおもてなし料理です。

初めての方でも気軽に体験できる修行の魅力を知り、
宿坊を通して人生に気づきを得て生活を豊かにしてほしい!

宿坊未経験者ももちろん大歓迎!!

堀内さんが宿坊の魅力を徹底解説してくれました!

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【おみやげコーナー】

入場するといきなりテーブルにお土産がズラリ!

堀内さんが「トークショーをやります!」とアナウンスしたところ
色々な宿坊の方々から沢山のお土産を提供して頂いたとのこと。

来場者には嬉しいプレゼント!(一人一品自由に選べます)

色々ありすぎて迷う(苦笑)
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[おみやげ一覧]

・法力念珠/圓満院門跡(滋賀)
・お線香/上池院(高野山)
・住職色紙/可睡斎(静岡)
・お線香or御守/窪之坊(身延山)
・万能スプーン/志摩房(身延山)
・マンダラ塗り絵/一乗院(高野山)

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【出演者紹介】

堀内克彦さん(宿坊研究会代表)
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宿坊研究家としてお寺・神社に泊る旅を続けながら
「宿坊ってこんなことができるんだよ」ということを紹介したり
一般の方々にお寺・神社を気軽に親しんでもらえるような
体験型のイベントを企画するなどの活動を展開している。

司会進行:テリー植田さん(※)
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(※東京カルチャーカルチャープロデューサー)

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【0.堀内さん”自己紹介”】

カルカルでの宿坊イベントは実に3年ぶりということで
堀内さんの自己紹介&活動紹介からイベントが始まりました。

堀内さん
「宿坊研究家としてお寺・神社に泊まる旅を続けています。
訪れた寺社は3000以上。体験イベントなどを中心に
お寺神社の活性化に取り組んでいます!」

堀内さん、自己紹介中(著書の紹介など)
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堀内さんが最初に宿坊に泊まったのは
京都の妙心寺・大心院の宿坊だそうで、最初はやはり
「お寺って泊まれるの?」「泊まったら何をやらされるんだろう?」と
本当に恐る恐るだったそうです。しかし、いざ泊まってみたら
予想に反してこれが非常に快適だったそうで、
それ以来、宿坊に泊まり歩くようになったと言います。

堀内さん
「冬に行ったんですけど板敷きの寒い部屋を想像していたら
温かいコタツがあって宿坊のイメージが変わりました。
そして夜に宿坊の外に出て近隣を歩いてみたら
月明かりに照らされたお寺の風景がすごく綺麗でした。
昼間の観光では決して味わえない風景で
自分の中ではこれが非常にインパクトがありました!」

堀内さんの旅のテーマとは!?
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堀内さんの旅のテーマは『人生を変える寺社巡り!』

単にお寺・神社に行くだけでなく、そこから気づきを得たり、
「こんなすごいものがあるんだ!」「こんなことができるんだ!」
といった人生が変わるようなインパクトを得て
お寺・神社のおもしろさや良さを発掘してきたいと語ります。

さらに、上の写真のスライドにはもう一文、
『人類を変える寺社巡り!』といった
非常にスケールの大きなことも書かれています。

これは一人一人の人生が良くなっていけば
ゆくゆくは人類全体も良くなっていくはずだという考えの下、
宿坊研究家としての活動の意気込みを示したものでした。

堀内さんの最近の活動紹介
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寺社コンが実に気になる…。(本稿ライターの独り言です:苦笑)

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【1.宿坊クイズ】

まずはクイズをしながら宿坊についての理解を深めていきます。
成績優秀者には豪華で美味しい賞品有り!

/*— 賞品一覧 —*/

うなぎもどき~書写山圓教寺様より ←優勝賞品
羽黒杉せんべい~羽黒山・宮下坊様より
八幡屋礒五郎の七味唐辛子~善光寺宿坊・淵之坊様より

/*—————*/

優勝賞品(1名)。これはおいしそう!
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全員参加で宿坊クイズ!
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簡単な問題から始まりますが…
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第2問
宿坊はお寺の宿泊施設のこと。神社には宿坊がない?
1)○ 2)×  ⇒正解は2)

問題が進むにつれてどんどん難しくなっていきます…
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第5問:
神社に祀られている神様。その数は一般的にどのように数えるか?
1)基 2)体 3)柱  ⇒正解は3)

7問目を終えて全問正解の人たちが更なる難問に挑む!
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難問すぎて、もう何がなんだか…(汗)
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第9問:
天照大神が隠れた岩戸が落ち、山になったと伝えられる長野の戸隠。
奥社に祀られている神様の名前は?
1)天鈿女命 2)天手力雄命 3)天八意思兼命  ⇒正解は2)

成績優秀者は賞品をGET!
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本レポートでは割愛しましたが、この宿坊クイズでは
ただ単に正解or不正解を答え合わせするだけではなく
堀内さんは一問一問に解説スライドを用意してくれていました。
私は早々に不正解となり賞品争奪戦線から離脱してしまいましたが、
全10問を眺めていただけでも、かなり勉強になったと思います。

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【2.宿坊でできる7つの修行】

宿坊クイズで予備知識を学んだところで…、、、

本日のメインテーマへ!!
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修行1:座禅(坐禅)

日本には主に曹洞宗臨済宗の2つの禅宗があり、
それぞれで座禅のやり方が異なっている。

写真で比較すると分かりやすい
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曹洞宗(写真左)は黙照禅と呼ばれ
壁に向かって黙々と座り続ける座禅を行う。

一方、臨済宗は看話禅といって人と人とが向きあい、
なぞかけのような問答(公案)を重視するのが特徴。
とんちの一休さん(一休禅師)は臨済宗のお坊さんだ。

その他、座布団の形や警策の叩き方、
禅堂での歩き方などに宗派による違いが見てとれる。

/*— 警策とは  —*/
座禅修行の際に棒で背中や肩を叩くこと。
曹洞宗では「きょうさく」、臨済宗では「けいさく」と読む。
曹洞宗では1回叩かれるのに対して
臨済宗では左右複数回叩かれる。
/*—————*/

バラエティ番組などの影響で
警策を罰ゲームみたいに感じてしまう人も多いようですが
実際には「心が乱れていますよ。集中なさい!」という励ましであり、
お坊さんの修行ではかなり厳しく叩かれることもあるようですが、
一般の方の座禅では厳しく叩かれることは稀なので
「そんなに怖がらなくて大丈夫です(堀内さん)」とのことです。

座禅による健康効果を紹介!
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堀内さんの座禅体験談
「座った時に心がスッキリする。腹式呼吸することで
体の中の悪いモノが外に出ていく感じがします!」

なお、曹洞宗、臨済宗の他に
数としては少ないが黄檗宗という宗派もある。
黄檗宗の座禅は臨済宗と同じ看話禅であるとのこと。

修行2:阿字観(あじかん)

テリーさん
「ASIAN KUNG-FU GENERATION…?」
←絶対言うと思った

堀内さん
「残念ながらそれではないんですよ!(笑)」

阿字観とは真言宗の瞑想法。
目の前に阿字観本尊という掛け軸を置いて行う。

座禅は心を無にして行うが、
阿字観は心を良いイメージで満たす修行法で
座り方などは同じでも心の動きは全く異なる様子。

阿字観を行っているところ
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修行3:写経

最もポピュラーなのは般若心経!
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写経は脳トレに良いと言われていて、
脳の前頭葉にある前頭葉前野を活発にし、
言葉でのコミュニケーションの活性化など
人間らしい生活を送る上で欠かせない機能を向上させる。

般若心経の場合は278文字。所要時間は30~90分かかる。

修行4:写仏

仏様の描き姿を写す写仏
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写経と同様の脳トレ効果はもちん、
仏像を観ただけでは気づかなかった仏様の様々な特徴、
例えば持ち物であったり、表情であったり、台座の装飾であったり、
それらの特徴を写仏することでよりよく良く知ることができる。

修行5:精進料理

食べることも修行の一つ!
皆さんが最も気になっていたのがコレでしょう!

精進料理のルールとして
肉や魚を使うことができず、また香りの強いものも使えない
そういった制限がある中、深い味わいを出すために
さまざまな工夫を凝らしてして作られている。

質素で味気ない料理をイメージする人もいるようですが、
宿坊で出される精進料理は、仏様にお供えしたり
また江戸時代にはお参りに来た人が宿坊に泊っていたので
「お参りできて良かったね!」「よく来たね!」といった
お祝いやおもてなしの意味が込められているため
実は非常に手の込んだ料理が出されることが多い。

宿坊最大の楽しみ=精進料理
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”食べる修行”なので
精進料理を頂くときには守るべき心構えがあります。

どのような過程を経てこの料理が作られているのか、
自分がそれを頂くに足りる行動をしているか等を
常に考えながら、感謝の念とともに料理を頂きます。

定番メニュー紹介!
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胡麻豆腐は多くの宿坊で最も力を入れている料理。
この他、もどき料理や精進揚げ、けんちん汁、飛龍頭(がんもどき)など
宿坊によって作り方も食材も様々…。

精進料理は動物性食品を中心とした現代食生活では
不足しがちな栄養素が含まれている究極の健康料理!

整腸作用やコレステロール排出などが期待できるそうです。

修行6:普茶料理

普茶料理は黄檗宗の精進料理
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大皿に盛られ皆で分け合って食べる。
ごま油をふんだんに用いた揚げ料理が多い。

修行7:滝行

これは荒行!!
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自然と一体になる修行。
滝を頭から受けながらお経や神さまの名前を唱える。

堀内さんの滝行体験談
「滝に入っている間は冷たいのですが、
外に出てるとなんだか体がポカポカとしてくる。
自然のエネルギーを感じたような気分になれます!」

滝行は指導にしたがって安全に行うこと!

以上で基本となる7つに修行の紹介は終わりですが
この他にプラスアルファの修行として
法話作務読経の3つも紹介されました。

いずれの修行も”想像力”を働かせることが大事で
自分の日常を省みたり、やりたいことを見つめ直したり
自分の中に気づきを得るキッカケにできれば
堀内さんが言うように生活が豊かになっていきそうです。

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【3.宿坊三黙道場】

お寺では喋ってはいけない場所が三つあります。
座禅堂東司(トイレ)浴堂(お風呂)…。

座禅堂で喋っていけないのはなんとなく理解できますが
気が緩みがちなトイレやお風呂でも修行と同じように
気を引き示さないという禅の精神に基づくものだそうです。

通常のホテルや旅館にお風呂やトイレは必ずあり
だいたいこんなものだという想像は容易につきますが
それが宿坊になると違ってきます。
宿坊はどんなところにもサプライズがあって
24時間楽しめる場所なのだそうです。

三黙道場1:僧堂(座禅堂)

雲水(禅宗の修行僧)が生活する場所を「単」と呼び、
起きて半畳 寝て一畳の生活を行います。

ここが僧堂(座禅堂)
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僧堂のサプライズ!
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般若心経が書かれた布団(山形・大日坊=左)に
天井一面に描かれた仏様の絵(島根・清水大師寺=右)!!

 

三黙道場2:東司(トイレ)

静岡の可睡斎には日本一の東司があるらしい。

これは凄い!!
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トイレにも仏様を祀って気を引き締める…。
トイレの真ん中に祀られているのは烏蒭沙摩明王。

「トイレの神様」ブームの時には取材が殺到したらしい。

三黙道場3:浴堂(お風呂)

温泉のある宿坊も存在します
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静岡の禅の湯には岩盤浴まである!
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このほかアロマキャンドルが並べられた
癒し系のお風呂などバラエティに富んでいる。

ここまでくると世間一般の宿坊のイメージとはだいぶ違ってくる
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【4.人生で大切なことは宿坊が教えてくれた】

堀内さんが宿坊から学んだことを
堀内さんなりの言葉で紹介してくれました。

・座禅は時間の大切さを教えてくれる!
・写経は心が無秩序なことを教えてくれる!
・精進料理は噛むことが生命のリレーをつなぐことだと教えてくれる!

そして…

・宿坊は繰り返される日々の大切さを教えてくれる!

堀内さんは宿坊から上記のようなことを学びを得たそうですが、
おそらく宿坊に行って感じることは人それぞれ違うはずです。
なので、まずは各自が体験してみるのが一番だと思います。

堀内さんもそう言っています!
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【おまけのコーナー】

堀内さん曰く
「宿坊に行ったらぜひお勤めに参加してほしい!」

…とのことで、堀内さんおススメの
”お勤めコレクション”の紹介がありました。

お数珠頂戴
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(善光寺では本堂に向かう住職に数珠で頭を撫でて頂く儀式がある)

護摩祈祷
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神前祈祷
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さらにもう一つおまけコーナー!

酒行…!?
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宿坊でお酒飲んではいけないと思っている人が多いようですが
お酒を飲んでいい宿坊も実のところ結構多いのだそうです。
しかも、そのは宿坊ならでは特徴あるお酒であることも多いとか。

般若湯
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なんと宿坊のオリジナルワイン!
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(ぶどうの名産地である勝沼の大善寺のオリジナルワイン)

爪剥酒(つまむきのさけ)
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【まとめ】

日常生活ではなかなか人生について考えたり、
時の流れを噛みしめたりする余裕がなかったりしますが、
宿坊に足を運び、お寺や神社という空間にしばし身を置くことで
心の充実を得られそうな気がしてきました。

堀内さんが用意した詳細なスライドに軽妙なトークが重なって
もの凄い濃い内容で、膨大な情報量のイベントとなりました。

おもしろかったので近い将来ぜひ続編を!

(ライター・GAMA)