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浅草から船でお台場移動!『大山顕の二ヶ月間ですごい写真を撮るワークショップvol.1』ライブレポート(10.4/16開催)

2010年05月15日

「いい写真」ってなに?「自分だけの写真」ってなに?

団地やジャンクションを始め、街じゅうのあらゆる「人々がいつも目にしているのに見ていない」ものを撮りつづけている大山顕さんによるフォトワークショップ、三ヶ月連続講座の第一回の模様をお伝えします。

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カルカルでの開催は4回目となるこのワークショップ、技法的なレクチャは一切無し、被写体も「好きなもの禁止」「自分探し禁止」「表現禁止」「ねこ禁止(!)」と、ひたすらどうでもいいものにこだわりを持って撮る、というもの。街なかにあふれるものからひとつを選び、しつこく見続けることで、自分の中に起こる変化を見つけてみる。そしてそれを、みんなで発表しあうというワークショップでした。今回は、浅草寺の敷地内にある浅草神社前に集合してのスタートです。

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被写体の選びかた・撮り方のルールを説明。

今回めぐるのは、浅草から隅田川を渡って向島から東向島に至る、閑静でふるい住宅街をメインにしたルート。あっという間に被写体を見つけて黙々と撮影を始める参加者たち。すごい集中力!

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なにを狙っているのか。

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あっという間に散り散りになる。

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地元のおばさまに声をかけられたりもしてました。
(おそらく「下町撮影会」とかだと思われてたかと。いや、間違いじゃないけど!)

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「まち歩きの神様降りてきた!」という感動の瞬間。
(どういうことかは、のちほどに)

二時間半ほどのフィールドワークを終え、電車で浅草へ。そして水上バスでお台場へ向かいました!日の出桟橋までの大型船では、船内のアナウンスがいっさいジャンクションに触れないことに憤慨したり(橋の名前はそのいわれも含めてとても丁寧に解説されているのに!)、海浜公園までの船では、寒風吹きすさぶデッキから、コナン印の飛行船発着場や、立ち並ぶガントリークレーンを眺めたりしておりました。みなさん、タフね。

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夕暮れのデッキはちょう寒かったです、正直なところ。

昼イベントの余韻が残るカルカルに到着。めいめいが食事をしながらプレゼンの準備に入ります。そう、これからがこのワークショップのいちばん面白いところ!

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写真データ集めてるあいだ、厨房は大忙し。

持ち時間はひとり5分。大山さんとやりとりをしながら自分が取り集めた写真をプレゼンテーションしていきます。ひとによっては100枚以上撮影していたり、「どうしてもこれは見せたい!」という思い入れがたっぷりだったりして、大いに脱線したり盛り上がったりしながら進んでいきました。

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たとえば「つなぐもの」を集めたひと。

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「段差を埋める工夫=スペーサー」を集めたひと。

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パラボラアンテナを集めたひと。

前述した「まち歩きの神様が降りてきた」と発言したのはパラボラのひと。もう一度先ほどの写真をご覧いただくとわかるのですが、これ、家庭用ではなく二倍くらい大きな特殊なものなのです。ずっとパラボラアンテナを見て街を歩いていた人だけが感じた感動を、もう一度みんなが共有する、という不思議なことになっていました(フロアは感嘆の声でいっぱいに!)

この日参加された方はいつになく斬新な切り口の方が多いようで、大山さん曰く「今日は天才肌が多い」とのこと。

テーマだけでも並べてみると、「フック」「つなげるもの」「段差解消」「ボルト」「パラボラアンテナ」「仕切弁」「シャッター」「路肩」「自転車」「たるんでるケーブル」「街灯」「建物の隙間」「ふた」「鍵穴」「ぎりぎり支えられてるもの」「屋外蛇口」「ドアノブ」「ごみ」「まるいもの」「パイロン」…ほんとうにさまざま。

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鍵穴の形状を「パルス」と呼ぶひとあり。

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うつくしく咲く花をいくつも撮って「おまえは破門だ!」と言われるひとあり(ひどい)。

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とても素敵な佇まいのパイロンを撮るひとあり(会場からはため息が!)。

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しかしてどれもすごく面白い発表になっていました。たかだか2時間ちょっと注目してあるくだけで、どうしてそんなに熱っぽく素敵さ素晴らしさを語れるようになるのか、と不思議に思うくらいに!そうそう、じつはシャッターを選んだ方がおふたりいらっしゃいましたが、同じものに着目しているようで、実は全然違っていて互いの「好きなシャッター」感はまったく違う。興味深い。

最終的に、予定終了時刻を1時間弱経過する長丁場となってしまいました。浅草での集合から数えると、なんと9時間近く!さて、この中から何人のマニアフォトグラファーが生まれるのでしょうか(一度気にし始めると、ずっとくせになっちゃうんですよね、これ)。楽しみ。

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次回、5月16日のワークショップに向けての宿題もあらためて発表されました。「自分の意志と関係なく、毎日同じ時間に写真を撮る」こと。1995年製作の「SMOKE」という映画の一コマを取り上げながら(あるタバコ屋の店員は、毎日同じ時間に同じアングルで写真を撮りつづけている。その数なんと4000枚!)、自分の好きな時間に写真を撮りつづけることをやってみよう、というものでした。現在Twitter上で #shoot1230 という企画がおこなわれているので、それに便乗するもよし、都合のいい時間にするもよし、とのことなので、ぜひご参加を。

 

(ライブレポート・アオキエリ / EXHIVISION