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『“食の仁王”こと弓田亨が、日本の食の真実を斬って、斬って、斬りまくる!弓田亨考案「ルネサンスごはん」の試食付きトークショウ』ライブレポート(11.8/29開催)

2011年09月17日

代官山にあるフランス菓子のお店
イル・プルー・シュル・ラ・セーヌ」のオーナーパティシエ
弓田亨によるトークショーがカルカル初開催。

”食の仁王”と呼ばれる弓田亨が
日本の食の真実を斬って斬って斬りまくる!

そして、変わり果てた日本の食卓を救済すべく
弓田氏が考案した究極の健康料理
『ごはんとおかずのルネサンス』とは何か?
なぜパティシェである弓田亨が
日本の家庭料理を救おうとするのか?

正義感溢れる熱いトークが繰り広げられた。

もちろんおいしい「ルネサンスごはん」の試食付き!
(サプライズでおいしいお菓子のお土産も!!)

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イベントスタート!
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(司会進行=清水まゆみ from @nifty:地球のココロ

スクリーンには文字通り”仁王立ち”な弓田さんの姿!

弓田さんご挨拶
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弓田さんの挨拶が終わると各テーブルに
弓田さん考案の『ルネサンスごはん』が並ぶ。

おいしいごはんを頂きながら弓田さんの話に耳を傾ける
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「私は日本で一番おいしいお菓子を作っている!」
と自信たっぷりに話すパティシエの弓田亨さん。

しかし、一流のパティシエである弓田さんが
なぜ、日本の家庭料理を考え、作り続けているのか?
トークショーはそこから始まりました。

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[1.日本の”食”の真実]

弓田さんはパティシエという仕事柄、
日本とフランス、スペインを何度も行き来しているそうですが、
その中で、日本とそれらの国とでは
食材に大きな違いがあることに気づき愕然としたそうです。

フランスやスペインでは何を食べてもおいしい。

しかし、日本の食材は
 
「色が薄い!」「味が薄い!」「おいしくない!」

弓田さんはフランスやスペインに滞在中、
現地のおいしい食べ物を食べているだけで体調が良くなり、
不思議と体に熱いエネルギーが満ちてきたと言います。
しかし、帰国して再び日本のおいしくない食材を口にし始めると
ほんの数日で体が重く、だるく感じるようになってしまったそうです。

弓田さんはその原因として

「日本の食材は栄養素が欠落している!」

と指摘しています。

戦後の日本の化学肥料を多用した農業や
栄養素を考慮しない品種改良(実際には品種改悪)、
多毛作による光合成不足や土地の衰弱化などによって
我々が日々口にしている野菜等の食材は
本来持っているはずの大事な栄養素が欠落した状態に
陥ってしまっているとのこと。

例えば茄子。茄子というと私達の感覚では
「あまり味がない野菜」というイメージを持っていますが、
弓田さんが子供の頃に食べていた茄子には
しっかりとした「独特の力強い味わい」があったそうです。

陸の産物や土壌から栄養素がなくなれば
陸に雨が降り注ぎ、それが海へと流れ出るのだから
海の産物からも栄養素が減ってしまうという悪循環に…。

実際のデータでも確認していきます
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上の写真のスライドを例に説明すると
現代のミカンに含まれるカルシウムは
昭和26年の頃のミカンと比べると7割程度しかない。
マイワシに至っては56%にまで大幅に減少している。

カルシウム以外の様々な栄養素についても
データがスライドで次々と示されましたが、現代の日本では、
ほぼ全ての食材において、このような栄養素の欠落が
現実として起こってしまっているとのことでした。

弓田さん曰く
『人間は、体の細胞が必要としている栄養素を
豊富に含んでいる食べ物を口にした時に安心感や満足感を得て
本能で「おいしい!」と感じる動物であり、
逆に、必要な栄養素が欠落しているような食べ物に対しては
本能で「マズイ!」と感じるようになっている』

今の日本の食べ物は残念ながら
おいしいさの元となる成分、即ち、栄養素が欠落していて
どうしても「マズイ」と感じてしまう状況にあるようです。
それは言い換えれば、体の細胞が必要としている
栄養素を食事から取れていないということになります。

本来、体を作るはずの食事で

「日本人は逆に体を壊してしまっている!」

と弓田さんは警鐘を鳴らしています。

弓田さんは現代の日本に蔓延する心や体の
様々な病気の根本的原因はこれらの食事情にあると確信し、
食に関わる者としてパティシエをする傍ら
日本の家庭料理の再生にも熱心に取り組んできたそうです。

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[2.おいしさとは何か?]

弓田さんは「おいしさとは何か?」を
今一度、見つめ直してほしいと言います。

それは決して難しいことではなく、先述の通り
自分の舌が直感的に「おいしい!」と思えれば
それが”真のおいしさ”である!とのこと。

弓田さん曰く
『偽りのおいしさに騙されないように…!』

偽りのおいしさとは何か?

・有名な料理研究家が提唱する調理法だからおいしいはず!?
・たくさんの手間をかけた調理法だからおいしいはず!?

本当は体が「おいしくない!」と訴えているのに
頭で「おいしいはずだ!」と自分に暗示をかけて
”おいしいつもり”になってしまうようなことはあってはならない。
自分の体に備わった味覚を信頼してこそ
”真のおいしさ”に気づくことが出来る
と力説します。

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[3.間違った料理法]

例えば、灰汁抜き下茹でといった料理法。

これらはただでさえ栄養素が薄くなった食材から
さらに追い討ちをかけるように栄養素を削ぎ落としてしまう
非常に間違った料理法である
と弓田さんは訴えます。

灰汁には人間の体が必要としている栄養素が豊富に含まれていて、
これらの栄養素の欠落は、アトピー性皮膚炎や花粉症、
潰瘍性大腸炎などを引き起こすと言われているそうです。

テレビ雑誌等に登場する料理研究家と呼ばれる人達が
「上品な味になるので灰汁抜きしましょう」と言って、
栄養素をどんどん取り除いてしまい、
栄養素を失った食べ物の不味さを誤魔化すために
今度は砂糖みりんを大量に加えて、
何の栄養素もない甘すぎるだけの料理ばかりが
世の中に広まってしまっていると弓田さんは嘆きます。

弓田さんの話に真剣に聞き入る皆さん
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[4.ルネサンスごはん]

以上、見てきたように、食材から栄養素がなくなり、
そのただでさえ栄養素が欠落した食材から
さらに間違った調理法で栄養素を削ぎ落としているため
体に必要な栄養素が行き届かなくなっている。
それが「日本の食の真実」ということでした。

そこで日本人の体が細胞レベルで必要としている
幅の広い栄養素を摂るために
どのようにしたらよいのかを弓田さんは真剣に考え
10余年前に「ルネサンスごはん」の試作を始めたそうです。

試行錯誤を経てシリーズ初刊は2003年に出版
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弓田さんの著書(物販コーナーより)
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(ルネサンスごはんのシリーズ最新刊は今年6月に発売)

ルネサンスごはんの基本6箇条!!
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/*— ここがポイント! —*/


1)先人の知恵に立ち返る

先人が残した日本の食、特に乾物を大事にする。

2)とにかく「いりこ」が大事
いりこは人間の体の細胞が必要としている栄養素を
一番豊富に含む食材である。
(人間は海を起源に進化してきたので魚と人間では
遺伝子情報は6~7割が一致している)
何にでもいれこ入れる。それだけでおいしい。
頭や内臓も全て食べること!

3)灰汁抜き・下茹では絶対にしない。
栄養素を削ぎ落とす間違った調理法なのでやめること。
栄養素はおいしさの源。つまり灰汁は「おいしい」。

4)砂糖・みりんは使わない
栄養素の豊富なご飯は自然とおいしくて甘くなる。
料理に砂糖やみりんを使うのは
まずさを偽りの甘さでごまかす行為でしかない。

パティシェを本職とする弓田さんが砂糖を批判するのは
ちょっと変だと思われる方もいるかもしれませんが、
あくまで体を作るための「主食(ごはん)」の話であって、
デザートやお菓子における砂糖には
また別の重要な役割があると説明されていました。

5)味噌の重要さを再認識する
これも先人の知恵となるが、日本の味噌は
今でも豊富な栄養素を含んだ非常に素晴しい食材。
ならば、これを使わない手はない。

6)塩を悪者にしない
栄養素が不足した状態で塩を過剰摂取してしまうと
体に著しくダメージを与えてしまうが、
豊かな栄養素が摂れている状態の時は
(即ちルネサンスごはんを実践している時は)
塩はメインの食材ではフォローできない微量栄養素を
補ってくれるので、むしろより多く必要になる。
今の世の中はやたらに塩を悪者扱いする傾向があるが
栄養素の欠落した料理との組み合わせがいけないのであって、
塩の使用を「無理に控える必要はない」とのこと。
化学精製塩は微量栄養素を含まないので使ってはいけない。
必ず「海塩」或いは「岩塩」を使うこと。

この他、基本6箇条以外の注意点として

・冷凍や電子レンジによる解凍は行わない
(ビタミンやたんぱく質を破壊してしまう)

・旬の野菜を使うこと
(季節外れの野菜には栄養素が非常に少ない)

・野菜の栄養素は皮に多いので可能な限り皮も食べる
(農薬が気になるかもしれないが極力洗って)

などが挙げられました。

ホウレンソウに含まれるビタミンCは夏と冬でこんなに違う!
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本レポートでの紹介順が
実際のイベントの進行とは逆になってしまいましたが、
これまでの説明にあった考え方を元に弓田さんが考案した
『ルネサンスごはん』試食が行われました。

そのメニューを以下に紹介します。

◎夏のちらし寿司
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酢飯にスペインの赤ワインビネガーを使っているのが特徴。
いりこ、昆布、鰹節厚削り、干し椎茸、切干大根、昆布、
刻みアーモンド、ツナの油、塩などを加えて炊いたご飯に
赤ワインビネガーを加えて酢飯を作り、
岩塩とオリーブオイルを使って和えている。
仕上げにカリカリな焼油揚げ、ちりめんじゃこ、ニンジン、
薄焼き卵、三つ葉、さやえんどう、煎り胡麻等を加えて完成!

◎ツナご飯
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ツナがたっぷり入っている。
(ツナの油は栄養素が含まれているので捨ててはダメ。
今回はちらし寿司にツナの油を使用している)
もちろんいりこ&昆布入り。
その他、切干大根や豆類が豊富に入っている。
豆(種子)は「命を繋ぐ大事な栄養素」だそうです。
下準備で豆を浸しておいた水は捨てずに必ず使う。

◎肉じゃが
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豆、アーモンド 、切干大根などを加えて
砂糖、みりんを一切使わずに甘さを出している。
確かに心地良い自然な甘さを感じることができました。
これを一度食べてしまうと自分が知っている従来の肉じゃがは
甘すぎて今後食べられなってしまうかもしれない。
言うまでもなく、いりこ入り。
「いりこ」はルネサンスごはんの基本中の基本!

◎茄子の味噌汁
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「茄子」をメインとしているが実に色々な具が入っている。
(ピーマン入りの味噌汁は初めて食べた)

この写真を見ただけでは色々な具材を
やたらに突っ込みすぎと思ってしまうかもしれないが
「先の基本6箇条を守ってさえいれば
栄養素は加えれば加えるほど美味しくなる」
とのこと。
つまり、具は自由にどんどん追加してOK!
たくさん具を入れれば入れるほどおいしくなるそうです。

そういった意味で、「ルネサンスごはん」は
料理を難しく考えるものでは全くなく、非常に自由で
簡単且つおいしい家庭の料理法と言えそうです。

4品ともとてもおいしかったです!

4品とも灰汁抜きや下茹では一切していないし、
砂糖もみりんの使用もしていないとのこと。

素朴で優しい味わいがそこにはありました。

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《おまけ写真~会場風景》

物販コーナーには書籍だけでなくルネサンス食材も
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終演後の物販コーナー。大盛況でした。
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弓田さんにサインを貰ったりお話しをしたり…の順番待ち列
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平日且つカルカル初開催のイベントでしたがチケットはソールドアウト。

弓田さんの熱い想いがお台場に炸裂した2時間でした。

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3.11以降、深刻な原発事故も重なって
「日本の食の安全神話は崩壊した」などと言われていますが、
”栄養素”という視点から見た場合、日本の「食」の安全は
実はとっくの昔に崩れ去っていたのかもしれません。

私達は食べ物から摂取した栄養素で
体の細胞の一つ一つを作り命を維持しています。
日本人はもっと”食の中身に目を向けるべきだと
深く考えさせられたイベントでした。

(ライター・GAMA)