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『大相撲の歴史と愉しみ方のツボ!』ライブレポート:今だからこそ知りたい!相撲の歴史や豆知識を楽しく知ってみよう!(11.4/10開催)

2011年05月01日

「顔じゃない」だけじゃない。
知らない言葉や見えない世界がまだまだあった。
楽しく語る相撲の歴史や豆知識。“大人の一夜漬けシリーズ”「大相撲の歴史と愉しみ方のツボ!」が開催されました。

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↑スクリーンのテーマにそってトークが展開されました。
壇上は写真左から相撲記者歴25年の長山聡さん、元関脇・隆乃若尾崎勇気さん、東京カルチャーカルチャーのテリー植田プロデューサー。

相撲の歴史

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↑相撲の起源といわれている野見宿禰(のみのすくね)と当麻蹴速(たいまのけはや)の取組。時代は紀元前

長山さん曰く「このときは土俵がなく、蹴りもOKだった」。
その後、年に一回全国の相撲人を 集める「相撲節会」が始まり、現在の相撲の原型となります。
室町時代になってからは武士のたしなみに。このときの対抗合戦で勝ち抜くことを「関を取る」といい、これが関取の語源になったとか。
特に強かった人を大関と呼び、次に強い者をと呼んだ。ここから「関脇」という言葉ができたそうです。

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↑尾崎さん「入門当時はこういう話を知らなかった。 長山さんの知識は相撲記者の中でもずば抜けている

番付表のうらがわ

テレビなどでもよく目にする番付表。

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↑テリーP「これって手書きなんですか?」
長山さん「手書きです。行司さんの

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↑長山さん「一番上が幕の内。二段目の内側が十両、外側が幕下。次が三段目。一番下が序の口ですね。序の口は文字が見えづらいので虫メガネとも呼ばれます」
力士は全部で約700人。そのうち関取と呼ばれるのは十両以上の70名。つまり1割で、あとは無給で生活します。

技に種類あり

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↑相撲にもさまざまな技があります。下は尾崎さん(隆乃若)が倒れている写真。

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↑尾崎さん「張り手を受けて脳震盪を起こしたときですね」
テリーP「張り手で!?」
尾崎さん「相撲は格闘技なのでこういうこともあるんですよ」

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↑実際にはあまり見られない珍しい技の話。

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↑プロレス技さながらのしゅもく反り
テリーP「どうやっているんですか?」
長山さん「これはできないです

土俵がないころは反り技が多く開発されましたが、投げ技が主流の現在は反り技を見ることはほとんどありません。
尾崎さん「いま反り技を見られたら相当貴重です

「顔じゃない」だけじゃない

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↑相撲業界で使われる隠語のお話。写真は福祉大相撲で熱唱する尾崎(隆乃若)さんのお姿。

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↑この日解説された主な用語。

【くびなげ】
尾崎さん「男女の夜の営みのことです」
長山さん「(技の首投げが)決まった形が似ているので……ちょっと言いづらいな(笑)」

【やま行く】
(やまい)から来た言葉で、ケガのことを意味します。
長山さん「大相撲の世界ではあまり『ケガした』とは言わない。『やま行った』と言います」

【よかた(スクリーンの『よたか』は誤記)】
相撲協会以外の方、一般の方のことを指します。

【おコメ】
お金の意味。尾崎さん曰く「祝儀をもらったりすると『おまえいくらおコメもらったんだ?』という会話もする」。

【しー】
尾崎さん「ごっちゃんですの最終形です。『ごっちゃんでした、ごっちゃんした、ちゃんした……と縮まって『しー』になる。親方衆の前を通るときも本来は『ごっちゃんです』だが『しー』と」
長山さん「『ごっちゃんです』は実際言わない」

【家賃が高い】
家賃は番付を指し、実力が番付に見あっていないことを意味します。

相撲部屋のしきたり

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↑尾崎さんは鳴門部屋出身。「協会の中でもかなり厳しい部屋だった

長崎に住んでいた中学3年生のときにスカウトされた尾崎さん。
相撲を仕事にしようとは思っていなかった当時、親方に九州場所へ招待されます。
若貴ブーム絶頂の平成3年。会場の熱気に魅せられ、気持ちも固まりました。

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↑尾崎さん「この世界になら夢かけてもいいと思った

尾崎さんも入門後、稽古のすごさに驚きます。
とはいえ親方が体格や実力などを踏まえて稽古を決めるので、いきなりハードなトレーニングから始まることは基本的にありません。
長山さん「力士の体は段階を踏んでできあがっていくので、入門してすぐ“かわいがり”なんてしてはいけません」

力士の早い1日

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↑入門し、大部屋での共同生活が始まります。
長山さん「いまの子供たちは個室を持っていますが、入門後は365日も他人との生活になる。耐えられなくて辞めていく人は多い」

尾崎さん「私の入門したころは人数も多かったので朝4時や5時には起きていました
ご飯は食べず、朝の稽古へ。
極限まで空腹にして、ようやく昼にちゃんこを食べます。
長山さん「力士の体を作るにはこのやり方がいいと言われています。朝ご飯をしてから稽古をすると吐いてしまうおそれがあるので」
尾崎さん「独特の体はそのサイクルを繰り返すことでできあがります」

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↑力士のお食事、ちゃんこについて。
ちゃんこ=鍋というイメージもありますが、力士のつくる・食べる料理を意味するため、鍋ばかりをちゃんこと呼ぶわけではありません。

尾崎さん「鳴門親方は食に重きを置いていた方なので、50種類以上のちゃんこがありました」
つくるのは幕下以下の若い衆。力士の食事量がものすごいので、部屋には業務用の冷蔵庫が幾台もあるとか。

ちゃんこを食べて2時間ほど昼寝。土俵の稽古は午前中のみ。
午後は自由時間。
尾崎さん「午後はトレーニングする者、治療する者、パチンコ行く者とそれぞれ。自由時間を有効に使う力士が出世していきます
夜は21時半ごろ門限・消灯という部屋が多いそうです。関取になると門限は解除に。

力士のおコメ

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↑幕下までの力士は2ヵ月に一度、協会から15万円ほどの場所手当が支給されます。

十両に上がれば月給は100万円以上。横綱になると280万円に。
テリーP「高いですね」
長山さん「安いですよ。トッププレイヤーなのに。野球とかは1億円超えるのに」


壇上の化粧まわし

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↑開場中からステージで存在感を放っていた化粧まわし

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↑尾崎さんの現役時代につくられました。
刺繍の数によってお値段は上下するらしく、こちらは150万円以上したそうです。

名力士たちの記憶

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↑数々の対戦を経た尾崎さんにとっても「横綱の強さは別格だった」と言います。

尾崎さん「貴乃花さんは隙がなかった。 取組前、朝青龍はガンガンにらんできたんですが、貴乃花さんは涼しい顔をしていた。土俵際まで追い詰めたとしても、そこから動かせず、最後には寄り切られた」

長山さんが若乃花の強さについて解説。
「左右のおっつけがすばらしかった。栃東もいいけれどさらに上だった。スピードに関しては、朝青龍と対戦した力士に聞くと若乃花のほうが速かった、と言います。魁皇も大関になれなかったぐらいだから若貴時代はハイレベルです」

尾崎さん「問題はありましたが、朝青龍スピードと気迫は突出していました」
長山さん「番付が上がってくるころはものすごく稽古していた。ふつうは本場所ぐらいしか使わない張り手をばんばん使っていた」
朝青龍と貴乃花、「二人が同じ時代にいたらもっと盛り上がったなと思います」と尾崎さん。

最後は断髪式

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断髪式は教会ではなく個人でやる“興業”。
尾崎さん「(断髪式は)たいへんでしたが、いい思い出です。16年間やってきたので胸にくるものがありました」

これから

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尾崎さん「競技としてのおもしろさを広めたい。150kgの男と男がぶつかりあう。アスリートが格闘しているんです。全力でがんばっている人がもっと評価されてほしいなと思います」
長山さん「世界に誇れると思うんです。相撲ほど伝統文化とスポーツが融合したものもないですから。嫌いな力士は一人もいない! どの力士にも必ず魅力がありますから

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きょうも多くの力士たちが“全力”で“ぶつかり”あっています。

(ライター・田村R)