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大魔神、お台場上陸!盆に響いたカノンのしらべ。 大人気絶賛放送中特撮ドラマ『大魔神カノン』presents「カノンのしらべ ~ 佐橋×藤林の特撮音楽の世界」ライブレポート(10.8/13開催)

2010年08月17日

大魔神、お台場上陸!
盆に響いたカノンのしらべ。

現在、テレビ東京ほかで放送中の特撮ドラマ『大魔神カノン』。
同作品の主題歌を手がける作曲家の佐橋俊彦さん、作詞家の藤林聖子さん、
そしてプロデューサーである高寺重徳さんを迎えてのトークイベントが8月13日(金)に行われました。
数々の作品でチームを組んできたお三方が、特撮音楽の世界を語りつくします!

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当日は出演者が手がけた作品にちなんだオリジナルメニューも。
こちらは『大魔神カノン』をイメージした「Sing your heart out」。

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『大魔神カノン』のプロデューサー・高寺重徳さん。
冒頭で「ここに来る前、地下鉄の網棚荷物を忘れてきました。取りに行ったら見つかったけど、社員証がありませんでした」という衝撃的なご挨拶。

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作曲家・佐橋俊彦さん。
高寺さんいわく「日本っぽくない、しゃれた音楽を作る」印象があるそうです

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作詞家の藤林聖子(しょうこ)さん。
独特の作詞センスはイベント中にも再三話題になりました。

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MCを務めた西山洋介(角川書店)さんと島崎淳さん。

カーレンジャーでの出会い

高寺さん・佐橋さん・藤林さんが初めてご一緒した作品『激走戦隊カーレンジャー』。
初のチーフプロデューサー担当となった高寺さんは、「暴れてやろう!」という思いが強かったのだそうです。
音楽の面でも過去のヒーロー戦隊とは違った感じを出したかった。
そこで当時の音楽ディレクター・本地(ほんじ)大輔さんに「イキのいい、ピチピチした作曲家はいない?」と話し、紹介されたのが佐橋さんだったということ。

『カーレンジャー』の楽曲制作にあたり、佐橋さんは
「劇伴(劇中曲)の作曲家なら有名な人が多数いる。その中で僕に話がきたということは、これまでのような劇伴曲を求められているわけではない、と思った」。
新しい作品を、という意思を持っていた高寺さんとは見事に波長が合ったそうです。

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佐橋さん「高寺さんとは初対面ですぐ打ち解けた」

メガレンジャーでの結束

電磁戦隊メガレンジャー』を機に、高寺さん・佐橋さん・藤林さんの絆が深まります。
挿入歌のタイトルに『ちょメガよろしく』とつけるなどした同作品。
高校生戦隊
ということで、高寺さんは「やんちゃな感じを出したかった。でも子供が観ている番組だから、あまり乱れるわけにも……」という葛藤があったそうです。
そこで藤林さんに「既成のヒーローソングにない、おもしろいものを」というオーダーを。
できあがったのがまさに『サイバースライダーTMY(ちょメガよろしく)』だったとのこと。
ちなみに佐橋さんはこの曲を作る際、符割りを「超(ちょう)メガ」で考えていて、そのせいで高寺さんに何度もNGを出されてしまったとか……。

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前作『カーレンジャー』にもあった音頭を藤林さんが作詞することに。
独特の言語センスに感心し、盆踊りをこの人に任せたらどうなるか、と期待していた高寺さん。メガレンジャーは「電磁戦隊」なので、あまり「和」な感じは違う……と思っていました。
そして、できあがったメガレンジャー音頭の曲名は。

「Bomb Dancing(ボン・ダンシング)メガレンジャー」

藤林ワールド、ここにあり。
盆踊りを「Bomb Dancing」と変換する。改めてその発想に舌を巻き、高寺さんはその後の『ギンガマン』でも藤林さんの力を借りよう、と思ったそうです。
ちなみに先述の音楽ディレクター・本地大輔さんが「音頭ははずせない」というぐらい強いこだわりを持っていたとか。

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そのギンガマンをモチーフにしたドリンク『伝説の刃』。

ギンガマンで初の主題歌

星獣戦隊ギンガマン』で初めて佐橋さん・藤林さんのタッグが主題歌を作ることになります。
なお今回はイベント用の質問をお客さまから事前に募集していました。
その中に、「(『ギンガマン』の主題歌を歌っている)希砂未竜って誰?」というものが。
これに対し高寺さんは「『ガッチャマン』主題歌の歌声に似ていますが……似ているだけです!」と回答。

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高寺さんは前作『メガレンジャー』をかなり悩みつつ作っていたそうです。
戦隊とは何か?」と真剣に考えてしまうほど。そんなとき、遊園地などで子供たちの姿を見て「……東映の真骨頂をやろう!」と思い立ったと。
ちょメガよろしかった前作とは変わって、『ギンガマン』は王道を行った戦隊ものだったということですね。

話題は『ギンガマン』の悪役・宇宙海賊シェリンダに。
高寺さんには以前から、シェリンダのように白っぽい髪で大胆なコスチューム、といったキャラクターを出したいという思いが。それに似合うのは誰か、と考え、白羽の矢が立ったのが……
今回の特別ゲスト、この方です!

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『星獣戦士ギンガマン』シェリンダ役の水谷ケイさん。
写真の右下にあるのがシェリンダの人形です。

演じた際のエピソード

コスチュームについて水谷さんは「冬は寒いし夏は蒸すし、大変だった」と回想。お察しします。
団地へ収録に行った際には、子供たちが寄ってきて「あーっ、シェリンダだーっ!」と言って石を投げられたなんて話も……。宇宙海賊は大変です

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キャラクターのテーマ曲『その名はシェリンダ』を特別に披露してくれました。
レコーディング以外で歌ったことがない、とのことでしたが、そう感じさせない見事な歌声でした。
よい子のみんな! こんなきれいな人に石投げちゃダメだぞ!

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佐橋さん「水谷さんは昔よりシェリンダ度が上がっている」
水谷さん「どういう意味ですか(笑)」
佐橋さん「大人の魅力が増しています」
シェリンダ度! 水谷さんにしか適用できない素敵な言葉。今後、水谷さんのシェリンダ度がどれだけ上昇するかも見ものです。

残念ながら水谷さんとは前半でお別れ。なお、水谷さんは映画に出演されます。
花と蛇3』、8月28日(土)より全国ロードショー。こちらもどうぞチェックしてください!

休憩……の間に

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休憩行かせないゾ映像」として、佐橋さんのお仕事場のVTRなどがスクリーンに。み、見逃せない!

イベントは後半へと突入。

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前半のスーパー戦隊シリーズから変わり、後半は仮面ライダーシリーズの話題からスタート。
写真のドリンクは『仮面ライダークウガ』がモチーフの「誇りのエナジー」。

戦いに疑問を感じるヒーロー・クウガ

佐橋さん「『クウガ』はマジメ、ストイックなんだよね」
高寺さん「ストイックの極みでした。当時の僕は殺気だっていた、とよく言われる。確かにピリピリしていた」
藤林さん「いつもはちょっと変な話をするとノってくれた高寺さんが、『クウガ』のときは全然だった」
前半で触れた作品とはまた違った姿勢で、高寺さんは向きあっていたようです。
子供に殴り合いを推奨してはいけないのに、ヒーローものでは切った張ったを繰り返す。そればかりでいいのか? といった従来のヒーローへの疑問を『クウガ』を通して世に伝えたかった、という思いを感じました。

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続いて『仮面ライダー響鬼』の話題に。
画像はその『響鬼』をイメージした「
」。褌(ふんどし)じゃありません。ふんどしがこんなに光ってたまるか。

インストから始まる響鬼

仮面ライダー響鬼』はOPがインストという珍しい形でした。
しかし佐橋さんいわく「特撮が歌で始まる、というのは世界的な常識ではない。むしろアメリカなどでは圧倒的にインストが多い」。
他にも番組内でミュージカルが展開されるなど、『響鬼』では新しい試みが見られました。
そのため「賛否両論あった」ようですが、佐橋さんはこう言います。

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賛否両論おきなきゃオモシロくない
しびれるお言葉。胸にしみました。

そんな佐橋さん、先日とある打ち合わせで「カッカ」してしまったとか。
高寺さん「本地さんから聞いたんだけど、佐橋さんっておなか減るとよくないんだって」
佐橋さん「ブドウ糖の世界ですから、減ると思考が……」

ここでMCの西山さんが「先ほどからお名前でていますし、そろそろ本地さんお呼びしますか?」
と、いうことで。

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イベント終盤も終盤に、高寺さん佐橋さんの出会うきっかけを作った音楽ディレクター・本地(ほんじ)大輔さんが登場してくださいました!

登場して早々、ものすごい存在感を放つ本地さん。
すごく待ったんだけど」という第一声に始まり、
高寺さんに「俺に人生を変えられた男!」と紹介されると「あなたはみんなの人生変えてるんだから」。
MCの島崎さんが「本地さんも現れたところで『大魔神カノン』の話に……」と振ると「司会者がんばらないと!
終盤に現れてこの存在感、個人的に球界の大魔神を連想してしまいました。

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高寺さんと本地さんのトークが盛り上がるにつれ、ステージはどんどん二人の世界へ。
皆さん、このイベントは「佐橋×藤林の特撮音楽の世界」ですよ!

カノンのしらべ

いよいよ『大魔神カノン』についてのトークに。

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山形から上京してきた女子大学生の物語。主人公・巫崎カノンは様々な苦しみを味わいます。
高寺さんは「リアル、生(せい)」を描きたかったそうです。「生きていくって、きれいごとだけじゃ無理だろう?」と。

主題歌を作るにあたっては「OPはまた違ったことをやりたかった」と高寺さん。常に新しいものを模索する貪欲さに感服!
できあがったのは森山良子さんの歌う『Sing your heart out』でした。歌いだしなどの英語については高寺さんと藤林さんの話し合いで決まったそうです。
その『Sing your heart out』、レコーディングではシンセサイザーを一切使わなかったとか。
本地さんはご自身プロデュースの場合打ち込み音を使うのが好きでないとのこと。そのため今回の森山良子さんのものはすべて生の演奏。「珍しい楽器なども使った、たいへん貴重な音」と本地さんは熱弁してくれました。

EDテーマは1~13話まで『明日天気になぁれ』、14話以降『歩いて帰ろう』という曲が使われています。
両曲を歌うLiaさんについて、本地さんがこんなエピソードを。

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「『明日天気になぁれ』を収録するとき、Liaは臨月だった。そんな人にマイクの前で歌ってもらうのは初めて。その翌月に子供が生まれた。
『歩いて帰ろう』はスタジオにその子を連れてきて一緒に収録。なので彼女にとっても思い入れの非常に強い曲」

このお話を聴いて、二つの曲がより好きになりました。

お話はいつまでも続きそうな雰囲気でしたが、時間が相当押してしまったので終演の運びに。
本当に惜しい! まだまだずっと続いてほしい! 心からそう思える時間でした。

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終演後の記念撮影。
皆さんのますますのご活躍をおいのりしております!

常識にとらわれない「大魔神クリエイター」が聴かせてくれたカノンのしらべ。
発言のひとつひとつが重く、おもしろく、新鮮でした。
そんな方々の思いが詰まった『大魔神カノン』、チェックせずにはいられません!

(駆け出しライター・田村R)